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行政機関におけるソーシャルメディア活用ガイドライン(全体像)③

DATE.2012.02.14

各国政府はソーシャルメディアをコミュニケーションツールの一環として活用しようとしていますが、その革新のスピードや多様性から、現段階でしっかりとしたガイドラインを提供できている国は余りありません。そこで、複数回にわたって、2011年11月にニュージーランド政府が発表した「Social Media in Government : High-level Guidance」をご紹介していきます。これは、現時点で数少ない実用的なガイドラインとなっています。

なお、

パート①「ソーシャルメディアの分類」及び「1.サマリー」はこちら
パート②「2.ソーシャルメディアについて」及び「3.はじめに」はこちらです。

 

4.基本的な考え方

全てのソーシャルメディアに共通する、基本的な考え方が存在する。次に記す、この基本ルールを知ることは非常に重要である。

 

    • 信頼性があること
      正確で、公平で、几帳面で透明性を持つこと。
    • 一貫性があること
      建設的な批判や討議を促すこと。常に思いやりを持ち、正直でプロフェッショナルであること。
    • 機敏に対応すること
      質問には時宜に即して回答すること。必要に応じて自分の考えも共有すること。
    • 統合されていること
      オンラインとオフラインのコミュニケーションの内容の整合性を保つこと。
    • 公務員であること
      常に省庁を代表する身であることを自覚すること。可能な場合は、常に自身が自省庁を代表している旨を公表すること。
    • マメな管理者であること
      自分の組織のソーシャルメディアに招待されたり、管理を任されている場合は、記事の投稿やメッセージの確認を定期的に行うこと。放置され、更新されていないアカウントはプロ意識がないと思われてしまう。また、情報は組織のポリシーに基づき、作成、管理そして廃棄される必要がある。

 

■行動規範とオンラインへの参加

公務員としての行動規範や各省庁の行動規範などは、公務員としてのオンライン活動においても適用される。スタッフは、他のメディアやカンファレンスなどの公開フォーラムにおける行動と同様の行動を、ソーシャルメディア上でもとることが求められる。

    • 省庁の代表としてソーシャルメディアに参加する際は、必ず事前に承認を得ること。省庁の承認を得ない限り、その代表や代わりとして情報提供、約束や活動してはならない。
    • 省庁の代表としてソーシャルメディアに参加する場合は、必ず省庁を代表している旨を公表しなければならない。ただし、公表することで個人への危害が想定されるなど、特殊な状況の場合はその限りではない。なお、個人の住所や電話番号などの個人情報は、どんな状況下においても公表してはならない。
    • オンライン参加の結果として残るコメントなどは、永久的に開示される情報であり、他のメディアで再利用される可能性があることを、常に意識すること。
    • 常に合法であることを意識する必要がある。すなわち、名誉棄損、著作権や個人情報保護法などは、ソーシャルメディアでも適用されることを意識する必要がある。
    • もしソーシャルメディアをプライベートで利用している場合は、雇用主を公表しないことが望まれる。公表する場合には、その結果として雇用主の評判を落とす可能性がある旨に留意すべきである。
    • 「友達」など特定の個人に閉じているソーシャルメディアでも、実質的には公の場であることを意識する必要がある。なぜなら、そのような「プライベート」の場で提供した情報を、それらの「友達」がどのように取り扱うか分からないからである。
    • 常に、オンラインへの参加がプライベートなものなのか、公職なのかを意識する必要がある。また、プライベートの参加においても、メディアが個人に興味を抱く場合があるため注意が必要である。

何らかの疑問等があれば、管理者や法務チームのアドバイスを求めること。

 

■幹部(Chief Executives)へのアドバイス

ソーシャルメディアの活用が広がるにつれ、多くの幹部が仕事の一環としてソーシャルメディアに参加すべきか悩んでいる。例えば、TwitterやFacebookで個人や組織名でアカウントを作ることである。

コミュニケーション戦略の策定にあたっては全てのチャンネルが考慮されるべきである。そこで幹部にとってソーシャルメディアが適切と判断される場合には、実際に参加する前にリスク、実益、ゴールと想定オーディエンスを検討すべきである。ソーシャルメディアにおける幹部クラスの存在は、包括的なコミュニケーション戦略の一部として捉えられるべきであろう。

ソーシャルメディアを通じて様々な実益を具現化できることは事実であるが、そのためには積極的な管理とリスク対策が必要不可欠である。幹部にとっての最大の難点は、ソーシャルメディアが多大な時間を必要とするツールであることと、ソーシャルメディアに慣れていない場合、発言が公式なものに終始しオンラインでのパーソナリティが失われてしまうことである。そのような場合は、権限の移譲も視野に入れて検討すべきであろう。

その他のメディアツールと同様に、幹部クラスは、そのメディアツールに参加するスタッフが事前に適切なトレーニングを受けていることを確認すべきであろう。ソーシャルメディアは公式なフォーラムであり、常にそのような前提に立っている必要がある。誤った投稿内容が削除できないケースもあり、結果として組織や幹部自身の評判を落とす可能性もある。

 

次回の更新は、2/21(火)を予定しております。

 

(調査普及部 主席研究員 田村)

「行政機関におけるソーシャルメディア活用ガイドライン」へのリンク
Social Media in Government : High-level Guidance