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2020.04.10

2020年4月号連載企画 デンマーク・デジタル社会の全貌 No.3 デジタル化が進展する次世代社会システムにおける社会実装 第三回:デンマークにおける社会実装の仕組み

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 ソーシャルインパクト・パートナーシップ事業部
社会イノベーション・エバンジェリスト 中島 健祐

第二回にデンマークで展開されたプロジェクトの具体的事例を紹介した。その中で住民と共同でスラム化対策と地域を再生する「スーパーキーレーン」、港湾地区の水質汚染を改善し、海上プールで都心リゾートをつくる「ハーバーバス」の事例を紹介した。

両プロジェクトとも世界的に注目されている建築家ビャルケ・インゲルスの建築事務所(BIG: Bjarke Ingels Group)が携わったが、実は彼こそが、本年16日ラスベガスのCES2020プレスカンファレンスでトヨタ自動車が発表し、静岡県裾野市に建設される「コネクテッド・シティ:Woven City」の都市設計担当者だ。トヨタ自動車が公開したWoven Cityのプロモーションビデオを注意して観ると、街の中で陸上競技場のトラックにあるライン(線)のようなものが引かれているシーンが出てくるが、これは正にスーパーキーレーンにある黒の広場(住民交流の場)のデザインそのものだ。恐らくビャルケとしては、Woven Cityにもスーパーキーレーンで培った、分野横断的な協業と市民参加による要素を組み入れようとしているのだと思う。事実、コメントの中でビャルケは「Woven Cityは、トヨタのエコシステムによって幅広いテクノロジーや業界と協業することができ、その他の街も後に続くような新しい都市のあり方を模索するユニークな機会だと考えています。(出所:トヨタ自動車ホームページ https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31170943.html)」と語っている。