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2022.10.10

2022年10月号 連載企画 ニューノーマル時代の社会システム no.5 システムを正しく作ることと正しいシステムを作ること

株式会社NTTデータ経営研究所
執行役員 エグゼクティブ・コンサルタント
三谷 慶一郎

1.システム障害は増えている

 情報システムが仕様通り設計、開発され、正常に運用され続けていること。それによって、当初の目的が達成されていること。それがあたりまえの状態なのだが、それでも社会のどこかでシステム障害は起きている。
 情報処理推進機構(IPA)が2007年から2019年までに、報道された情報システムの障害について取りまとめた調査結果[1]がある。これを見る限り、情報システムの障害発生件数は残念ながら増加の一途を辿っている。
 最近は、社会全体に影響を与えるような大規模なシステム障害も目に付く。みずほ銀行では、1999年の経営統合発表以降これまでの間に、2002年、2011年、 2021年とほぼ10年おきに大規模なシステム障害が起きている。特に2021年2月以降は、12 ヶ月の間に11回連続してシステム障害が起き続けた。2022年7月に発生したKDDIのシステム障害も記憶に新しい。3,900万以上の回線に対して80時間を超えるこの大規模障害の結果、KDDI は契約者に対するお詫びとして通信費を一部返金することを決めている。

 

参考文献
[1] 情報処理推進機構「情報システムの障害状況2019年後半データ」2020年