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2019.06.10

2019年06月号連載企画 CIO補佐官オピニオン No.1 「踏みとどまるきっかけ」

内閣官房IT総合戦略室
政府CIO補佐官 長谷川 和人

どこまでやればいいんですか?

緊張感が高まってきた打ち合わせの中で、こんな声が上がる。我々も忙しいんです。早く落としどころを見つけて、片付けましょうよ。そんな声も上がってくる。

確かに、みんな目の前の仕事で忙しい。予算要求の資料準備、調達に必要な資料準備や段取り、設計段階で判明した課題への対応、・・・。いつも日単位の期限に追われ、だけど日中は会議ばかりで、まともに机に座って作業すらできない。そんな現場が多いだろう。

プロジェクトの中には、業務遂行能力の高い人が多い。責任感があり、協調性があり、事務処理に長けている。だからこそ、短かすぎる期限であっても、獅子奮迅の働きで調整を完了する。

そうだからこそ、これ以上仕事を増やしたくない。その気持ちはよく分かる。だけど、これこそが失敗プロジェクトの典型例。目の前の仕事をこなすことだけに集中しているうちに、プロジェクトの当初の目的は形骸化し、利用者や業務現場の職員からどんどん遠ざかっていく。何度も何度も、多くのプロジェクトが通ってしまった道だ(図表1)。

 

(出典)デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン 実践ガイドブック

図表1 目の前の仕事をこなした結末は?