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2019.08.09

2019年08月号トピックス クリスチャン・ベイソン氏と考える日本政府・自治体におけるデザイン思考実践の課題と今後の展望

チャレンジ!!オープンガバナンス ファウンダー
前東京大学公共政策大学院 客員教授
奥村 裕一

1.はじめに

今年2月末のこと、在日デンマーク大使館で来日中のデンマークデザインセンターCEOクリスチャン・ベイソン博士(※1)を囲んで、大使館と(一社)行政情報システム研究所共催の「社会システムデザイン」シンポジウムが開催された。筆者はその催しのアドバイザーとして参加の機会を与えられたので、その概要にふれつつ「社会システムデザイン」への日本とデンマークのアプローチの違いやクリスチャン・ベイソン博士の専門分野のデザイン思考を考えていきたい。

「社会システムデザイン」シンポジウムの参加者は約20名で非常にこじんまりとしたものであった。しかし、中央省庁から地方自治体それに金融機関やコンサルタント、研究者など多彩な顔触れが集まった内容の濃いものであった。

(※1)博士はマインドラボというデンマーク政府が創設した政府の政策ラボの所長を2007年から2014年まで7年間勤めていた。その後、現職にある。

2.ベイソン氏によるデザイン思考の紹介

ワークショップでは、最初にデンマーク大使のフレディ・スヴェイネ氏から歓迎挨拶のあと、クリスチャン・ベイソン博士によるデザイン思考の講演(標題:Leading Public Management)が続き、ついで、大使館の中島健祐インベストインデンマークチームリーダー兼上席投資担当官からデンマークと日本社会との違いを理解し社会システムデザインの日本型フレームワークを構築するヒントがいくつか披露された。これらを受けて参加者によるディスカッションを行い、これらを踏まえて全体討論を大使館の中島氏と筆者の対話で行った。