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2020.08.07

2020年08月号特集コラム3 行政機関でのクラウドサービス活用を促進するリセラーのサービス

一般社団法人 行政情報システム研究所
研究員 細井 悠貴

1.クラウドサービスを再販するリセラーという存在

AWSやMicrosoftを始めとするクラウドサービスプロバイダー(以下、CSPとする。)が提供しているクラウドサービスの利用方法として、再販の役割を担うリセラーを経由する方法が存在する。CSPと直接契約する場合、CSPの多くは支払い方法などにおいて、個別対応を行っていないため、行政機関がクラウドサービスを利用するうえでの制約が残る。リセラーを経由する場合、CSPにはないリセラー独自のサービスを受けることができるため、行政機関特有の調達手続き上の課題などに対応することが可能となる。一例として、支払い方法について、多くのCSPはクレジットカード払いを基本としているが、リセラーが請求書払いに対応することで、利用者はこうした制約を免れることが可能となる。
リセラーは民間企業や諸外国政府においても既に広く活用されている。我が国の行政機関及び自治体ではそもそもクラウドサービスを利用している事例が少ないが、リセラーが十分に活用できていないことも一因になっている可能性がある。そこで本稿では、リセラーが提供するサービスを調査及び整理し、行政機関にとっての有用性を明らかにする。