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2020.08.07

2020年08月号連載企画 デンマーク・デジタル社会の全貌 No.4 デジタル化が進展する次世代社会システムにおける社会実装 第四回:デジタル化により構築される理想的な次世代型社会とは?

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 ソーシャルインパクト・パートナーシップ事業部
社会イノベーション・エバンジェリスト 中島 健祐

1.COVID-19対応とデジタル化

COVID-19の危機は北欧諸国も直撃している。デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーでもウィルスの感染者と死亡者が増え(7月4日時点、デンマーク:感染者数12,815人、死者数606人、日本:感染者数19,282人、死者数977人(出典: WHO))デンマークでは3月13日にフレデリクセン首相が国境封鎖を発表した。驚いたのは医療従事者のコロナウイルス感染を防ぐ目的で、病院は生死にかかわる深刻な患者以外の通常診療や治療を取りやめる決定をしたことだ。4月6日には国境封鎖と高校などの教育機関、レストラン、大型の商業施設、映画館などの閉鎖も5月10日まで延長している。但し4月15日から外出禁止令は緩和され保育所と小学校は再開されている。デンマークはまだ感染による死者が出ていない段階で、イタリアに続いてロックダウン(都市封鎖)を実施した。そのことで感染爆発を防いでおり、同じ北欧でも信頼をベースにした独自のコロナ対策で街を閉鎖することなく、集団免疫を獲得する作戦のスウェーデンとは異なるアプローチをとっている。
COVID-19の危機対応はまだ何が最善の選択なのかが分からないし、今後の推移も不透明であり断定は出来ない。しかし最近スウェーデンにおける死亡率の高さが指摘されている。7月4日時点で感染者数70,639人、死亡者数5,411人、死亡率7.7%、因みにアメリカは4.71%であり、他の北欧諸国と比べると明らかに死亡者数が突出している。3月末にはカロリンスカ研究所の科学者達が医療崩壊を防ぐため政府に対し公開書簡に署名している。