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2022.04.15

2022年4月号 特集 デジタル田園都市国家構想から行政デジタル化の必要性を紐解く

株式会社 New Stories
代表取締役
太田 直樹

取材/狩野 英司(行政情報システム研究所)、小池 千尋(同)、平野 隆朗(同)
文/末岡 洋子

 岸田政権の目玉政策となるデジタル田園都市国家構想。総額5.7兆円という予算規模からもその意気込みがうかがえるが、その意義はどのようなものか。また、同構想において行政機関のデジタル化はどのように位置付けられるのか。
 これまで総務大臣補佐官、総務省政策アドバイザーなどを歴任し、2021年11月に設置されたデジタル田園都市国家構想実現会議の構成員を務める太田直樹氏(New Stories代表取締役 Code for Japan理事)に聞いた。

 

1.デジタル庁、デジタル田園都市、それぞれの意義

 政府は、昨年9月にデジタル庁を設立した。また、今国会の所信表明演説でデジタル田園都市国家構想(以下、デジタル田園都市)を打ち出した(図表1)。これらに対し地域の行政側では、まだ戸惑いや混乱があるようだ。以下に整理していきたい。
 まず、昨年9月1日に発足したデジタル庁について。同庁発足によって2つの重要な変化が起きている。
 1つ目として、これまで国と地方は対等であり、国は基本的に自治体の情報システムには手を出すことはなかった。その結果、地方の情報システムはバラバラで、非効率になっている。これを標準化したり、場合によってはシステムそのものを一元化していったりするのがデジタル庁だ。