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2022.04.15

2022年4月号 連載企画 民間人材との共創 No.2 鎌倉市における民間人材活用の実践

鎌倉市 共生共創部 次長(兼務)
共生共創部 デジタル戦略課 課長
宮寺 通寿

鎌倉市 共生共創部 デジタル戦略課
デジタル活用担当 担当係長
若松 繁

取材・文/小池 千尋(行政情報システム研究所)、平野 隆朗(同)、狩野 英司(同)

 行政のDXが進展する中、自治体では、民間人材を登用し、そのスキルを活かすことでサービスの向上や地域課題の解決を図る事例が増えつつある。この取組みは、民間人材の有するデジタルの知見や改革の視点を活用し、DXを効果的に進めるアプローチとして注目されている。
 他方で、行政という風土の異なる環境で、こうした人材に本来の力を最大限発揮してもらうためには、実際に民間人材活用へ動く現場におけるこうした人材のスキルを引き出すための環境づくりやマネジメントの整備が重要な課題となる。
 鎌倉市では、2021年4月に民間人材を任期付職員として採用し、業務・サービスのデジタル化やスマートシティの推進について、立ち上げからの企画を担当させている。そこで、採用側の鎌倉市デジタル戦略課課長の宮寺通寿氏と、同課デジタル活用担当担当係長として活躍する若松繁氏に、それぞれ話を伺った。例えば行政手続きのオンライン化や、キャッシュレスへの対応など、行政へのテクノロジー導入を推進することで、市民の生活利便性を向上するだけでなく、業務の起点をデジタル化することにより、職員の業務を効率化することも考えています。

 

1 鎌倉市の課題と民間人材募集のきっかけ(宮寺)

鎌倉市の課題
 神奈川県鎌倉市は、12世紀に源頼朝公が幕府を開いてからおよそ800年経ちました。多くの寺や神社が点在し、海にも面する鎌倉は、歴史ある観光都市として栄えています。
 現在、鎌倉市役所は「SDGs共生みらい都市」の実現を目指して、全国の自治体の中でも先進的な取組みを進めています。この中で、民間人材の知見を借りたい課題が2つありました。
(1) 行政サービスのDXに係る企画立案と施策の推進
 行政事務の効率化やデジタル技術の活用による、既存サービスの改善、新たなサービスの実現などに取組むという課題です。