行政機関がアジャイル開発の導入に取り組むにあたっては、プロセス・組織文化・人材など多角的な課題解決が必要となりますが、なかでも契約書のあり方は実務上の大きな論点となっています。本レポートでは、民間で導入が進むアジャイル開発向けモデル契約書をどのように行政機関の契約書体系に取り込めるかを検討しました。
<レポートの要点>
- アジャイル開発への関心が高まる中、準委任契約のあり方が大きな論点の一つとなっている
- 民間では、情報処理学会LIPやIPAにおいて、アジャイル開発向けの契約書のあり方について複数のグループで検討が進められており、実用的なモデル契約書も提示されている
- 特にLIP版モデル契約書は、アジャイル開発のプレイヤーの役割やプロセスを定義することにより、紛争予防に資する仕組みが組み込まれており、行政機関がアジャイル開発向けの契約書を策定する上で参考になる
- 民間のモデル契約書(準委任契約)と行政機関の契約書(請負契約)の間には、ドキュメント構成に違いがあるが、調達仕様書も含めた全体構成において共通する部分が多い
- 民間モデル契約書の条項の多くを調達仕様書に取り込むことで、契約書本体のテンプレを大きく変更せずとも、実質的に目的に資する(紛争予防)ことは可能