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2017.02.10

『行政&情報システム』2017年02月号特集 サービスデザインによる公共サービスのデザインとイノベーション

慶應義塾大学経済学部
教授 武山 政直 

はじめに
現在、海外を中心に、公共主体の担う政策やサービス設計にデザインのアプローチを導入する動きが見られ、その効果も着実に現れはじめている。このようにデザインに期待が高まる背景には、社会課題の複雑性や不確実性が高まる中で、政策の領域ごとに将来予測に基づいて計画を立てて決定を行い、それを実行に移すといった従来のプロセスの限界を指摘する声の高まりがある。一方、デザインと聞くと、多くの人々には、スポーツカーやファッションなどの華やかで装飾的なスタイリングのイメージが浮かぶかもしれない。しかし、公共サービスのイノベーションや社会課題の解決にデザインが取り入れられる理由と意義を理解するには、そのようなイメージを離れて、複雑な問題に挑むデザイナーの探求プロセスに注目する必要がある。