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2018.02.09

2018年02月号トピックス 海外における組織的なサービスデザインの実践ーService Design Global Conference 2017 参加報告―

株式会社コンセント
サービスデザイナー 小橋 真哉

1.はじめに:サービスデザインとService Design Network

去る11月1日〜11月2日、スペインのマドリッドにて行われた「Service Design Global Conference 2017」に参加してきました。本稿ではそこで発表された、海外における組織的なサービスデザインの実践について紹介します。はじめに、そもそもサー
ビスデザインとは何か、カンファレンスを主催しているService Design Networkという組織とは何か、概要を簡単に説明します。
サービスデザインとは、「デザイン思考」のもとになっている「人間中心設計(Human Centered Design:HCD)」や「ユーザーエクスペリエンスデザイン(User Experience Design:UXD)」のアプローチを用いて、企業や行政のサービスを設計する手法であり、2000年頃から欧州を中心として多くの企業や行政機関で広がりを見せています。特に海外では公共サービスにおいてサービスデザインの手法が取り入れられることも多く、日本においても、2017年5月に政府のIT総合戦略本部が決定した「デジタル・ガバメント推進方針」の中で、「サービスデザイン思考に基づく業務改革(BPR)の推進」が方針の一つとして挙げられ、今後の推進が見込まれます。