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2018.02.09

2018年02月号連載企画 海外公共分野ICT化の潮流 No.5 行政のIT化における世代別アプローチ 電子サインの導入事例を中心に

アメリカハワイ州政府CIO(最高情報責任者)
トッド・ナカプイ 

1.はじめに

行政組織における業務のICT化は、どうしても先進的な民間企業の後を追うような形になりがちだ。解決のための課題はいくつか考えられるが、「変化を受け入れる土壌としての組織内文化づくり」を強調するのが、米国ハワイ州政府でCIOを務めるTodd Nacapuy氏である。2015年の就任以降、それまで更新が進まなかった業務系の情報システム改革に着手し、8万人の職員を抱える州政府で電子サインのシステムを全面導入するなど、意欲的な
改革を進めている。実現のポイントとなったのは、ミレニアル世代からベテラン層まで、世代別の違いを考慮したアプローチと、組織内でのICT導入における4つの基本原則だという。氏自身の体験談も交えながら、その思想と実践について伺った。