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2019.02.08

2019年02月号特集 米国連邦政府における電子化(デジタルガバメント)及びクラウド活用の現状

JETRO/IPA New York
中沢 潔

1.はじめに

米連邦政府による国民にとって利便性の高い行政サービスの提供を目指したデジタルガバメント推進の動きは、クリントン政権下(1993 2001年)でインターネットを介して国民が必要とする情報を提供するための連邦政府機関のウェブサイト構築に向けた取組みが開始され、ブッシュ政権下(2001 2009年)で情報の閲覧だけでなく、オンライン上での様々な行政手続きの実現を目標とする包括的な電子政府推進法の規定を通じた法整備や連邦政府機関初の電子行政サービスに関する公式ウェブポータル「usa.gov」の立ち上げが実現されるなど、その基盤が強化された。国民とのコミュニケーションにソーシャルメディアを積極的に取り入れたことで知られるオバマ政権下(2009 2017年)では、民間から専門のテクノロジー人材を登用しデジタルガバメントに関する連邦政府横断的な推進組織/プログラムの新設、オープンデータイニシアチブや政府機関のITシステムのクラウド化など、政府のデジタル変革に注力した様々な政策が実施された。そして、トランプ政権(2017年~)は、政府ITシステムの近代化とデジタルサービスの提供向上を主要政策の一つに据えて政権下におけるデジタルガバメント推進体制を維持する一方、連邦政府機関におけるIT利活用及びデジタルサービス提供に関する戦略・方向性を調整する役割を担う新組織を設立し、Apple社、Microsoft社、Google社等の大手テクノロジー企業のCEOと会合を重ねて協議している。