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2019.10.10

2019年10月号連載企画 民間企業におけるICT活用事例 No.38 AI活用推進ではトップから現場まで一気通貫の強固な組織体制が肝要

株式会社三井住友フィナンシャルグループ
執行役員 IT企画部長 内川 淳

1.構造改革を推進するデジタライゼーション

今、デジタル化により金融業界を根底から変えるパラダイムシフトが起きています。新しい金融サービスが次々と生まれ、異業種による参入が加速し競争が激しさを増す中、従来型のビジネスモデルでは成長戦略を描くことができません。フィンテック企業はもとより他業態と連携し、付加価値の高いサービスを通じて優れたCX(Customer Experience、顧客体験)を提供できなければ、生き残っていけないという危機感は、SMBCグループ全体の共通認識です。この危機感がイノベーション精神のエネルギーとなり、我々を取り巻く環境変化に立ち向かう原動力となっています。
SMBCグループは、デジタル時代に応える強靭な組織・金融グループへと進化するべく、デジタル化により構造改革を推進するデジタライゼーション戦略を実施しています。デジタライゼーション戦略は、「攻めのデジタル化」と「守りのデジタル化」の大きく2つのテーマで分類し推進しています(図表1参照)。攻めのデジタル化では、従来の常識にとらわれず新規ビジネス・事業を創造する「デジタルイノベーション」と、既存のビジネスモデルの変革を目指す「デジタルトランスフォーメーション」の2領域で先進的な取り組みにチャレンジしています。

図表1 SMBCグループのデジタライゼーション

(出典)株式会社三井住友フィナンシャルグループ提供