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2019.12.10

2019年12月号トピックス 東京丸の内エリアにおける異業種データ協創は如何に進んだか

東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻
助教 早矢仕 晃章
教授 大澤 幸生

1.大丸有とは

「大丸有」という言葉をご存知だろうか。大丸有とは、「大手町」、「丸の内」、「有楽町」の頭文字を取った東京駅周辺のエリアのことを指す。この大丸有と呼ばれる地域は、就業人口28万人、建築棟数101棟、そして4300の事業所が入る、まさに日本のビジネスの中枢を担うエリアである(※1)。また、28路線13駅が存在し、あらゆる新幹線の発着地でもある。さらに、現在も再開発が進んでおり、更に多くのビルが建設予定であるというのは驚きだ。

「大丸有エリアのデータを集め、結合し、新たな街づくりビジネス創出の実証実験を行おう。」20185月、東京丸の内エリアを実験フィールドとしたデータ利活用プロジェクトはスタートした(※2)。三菱地所株式会社、富士通株式会社、ソフトバンク株式会社、東京大学大澤研究室の4組織で始まったこのプロジェクトは、最終的にデータ提供者、分析者、利用者など12の組織にまで増え、わずか半年で3つの大きな成果を得るに至った。このような大規模なプロジェクトは如何にして始まり、どのように進んでいったのか。本稿では、街・都市とデータの関係について概観しつつ、このプロジェクトを支えてきた技術の全貌について解説をしていきたい。

(※1)一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会:http://www.otemachi-marunouchi-yurakucho.jp/introduction/

(※2)業種を超えたデータ活用で新たなまちづくりを目指す実証実験を東京・丸の内エリアで開始:https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec180514opendata.pdf