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2020.06.10

2020年6月号トピックス 英国GDSによるデジタルマーケットプレイス海外展開の取組

英国GDS
Head of Product at Government Digital Service シャンタル・ドナルドソン・フォイヤー

英国政府では、政府の提供するサービスの質の向上およびコストの削減を目的として、民間事業者が自社の提供する製品・サービスを購買条件も含めて提示し、政府機関が自らのニーズにあう物品やサービスを検索し調達するデジタルマーケットプレイスを構築した。現在、ガバメント・デジタル・サービス(GDS)は自らの経験を活かして、諸外国の調達改革や汚職防止といった課題を解決するためにデジタルマーケットプレイスを展開する取組を進めている。
今回、英国政府がどのような目的で海外展開を行い、どのように進めているかを、取組の主導的立場を担っているGDSのシャンタル氏に伺った。
企画・取材/増田 睦子、文/松岡 清志

1.英国におけるデジタルマーケットプレイス構築の経緯

従来、英国では大手のIT企業18社で政府IT支出の80%、約160億ポンドを占める状況であり、このような大手の独占状況を改善することが課題となっていました。GDSはこのようなIT調達の状況を改善し、中小企業に対しても市場への参入機会を拡大することで調達の在り方を改善しようと考え、英国政府の調達を主管する組織であるクラウン・コマーシャル・サービス(CCS)の協力を得てデジタルマーケットプレイスを構築しました。したがって、デジタルマーケットプレイスは調達を改善するためのプラットフォームであると言えます。デジタルマーケットプレイスは、対象となる製品・サービスによって、大きく3つに分類されます。1つ目は、クラウドホスティング、ソフトウェア、クラウド導入のサポートサービスの提供が挙げられます。2つ目に、デジタル技術に詳しい専門家、予約システムのような具体的なアウトカム(またはこれらのアウトカムを提供するチーム)、サービス改善にあたってユーザリサーチを行う際の場やリサーチへの参加者の提供が挙げられます。3つ目として、データセンタのホスティングサービスの提供が挙げられます。(図表1)。

図表1 英国政府デジタルマーケットプレイスで調達される製品やサービス