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2021.04.15

2021年4月号 連載企画 行政情報化新時代 No.55 政府によるデータ活用のガバナンス

武蔵大学
社会学部
教授 庄司 昌彦

1.新型コロナウイルス感染拡大への対応とデータ活用

新型コロナウイルスの感染拡大への対応では、さまざまな場面で「データ」の活用が進んだ。自然災害と同様に感染症対応においても、水や食料などの必需品と同様に必要とされるのが「情報」である。しかも自然災害とは異なり、ウイルスやその感染拡大の状況は目で見ることができない。そのためパンデミックの状況下では、国や地方自治体が日々発表する情報が現状把握のための重要な手段となり、その情報の元となる感染者数の推移などの「データ」に多くの人が関心を寄せる。また、混雑などのリスクを把握したり接触記録を残したりするなど、データの生成・管理・活用が社会的に大きな関心事となった。ソーシャルメディアでは真偽不明の情報が不安や恐怖とともに拡散され、信頼性の高い情報が見つけにくくなる「インフォデミック1」も生じた。そのような中で、正確なデータへの社会的ニーズは高まった。