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2021.06.16

2021年6月号 特集 行政におけるローコードツールの活用と展望

サイボウズ株式会社
営業戦略部
瀬戸口 紳悟

1.新型コロナウイルスの感染拡大と行政システムの在り方

近年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行政対応は、行政機関のシステム開発における課題を改めて浮き彫りにしている。
行政機関の仕事は、全ての国民の生活を支えている受け皿であるため、緊急かつ精度の高い仕事が求められる。しかし、その仕事を支えるシステム導入、構築、運用が難しい状況になっている。
行政機関でのシステム導入におけるハードルは非常に高い。行政機関がシステムを導入する際は、多数のベンダにヒアリングを行い、公平性を担保した仕様を策定し、入札にかける。導入ベンダを選定した後も要件定義を綿密に行い、“完璧”なシステムの構築を目指す。
だが、近年住民のニーズはより多様化し、日々変化している。そのようなニーズに対し行政側もベンダ側も、適切なシステムを検討するリソースが配備されているとは言い難い。つまり、現場のシステム需要のスピードに、仕組みが追従できていない。
もともとそのような問題が顕在化し始めたところに、今回コロナ禍によりさらなる緊急の業務が発生した。結果として、そのような非常時こそ求められる業務効率化のためのシステムは、導入検討の初期段階で構想から外れ、現場は手作業で業務を遂行せざるをえなくなった。