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2022.08.12

2022年8月号 特集 コロナ対応から生まれた地方行政の量子コンピュータ活用事例

株式会社グルーヴノーツ
代表取締役社長
最首 英裕

取材/狩野英司(行政情報システム研究所)、小池千尋(同)、平野隆朗(同)
文/本多和幸

 かねて指摘されてきた行政におけるデジタルテクノロジー活用の遅れは、新型コロナ禍により日本の大きな課題として改めて浮き彫りになった。一方で、この2年間の劇的な環境変化がブレークスルーを導き、新しいテクノロジーを積極的に活用して新たな課題に対応したり、住民サービスの向上に取り組んだりする動きが目立つようになったという側面もある。福岡市がコロナ患者の搬送計画業務に、先進IT企業であるグルーヴノーツの量子コンピュータソリューションを採用したのも、そうした事例の一つだ。量子コンピュータをはじめとする先進テクノロジーを行政側はどう捉えて活用を模索すべきなのか、グルーヴノーツ代表取締役社長の最首英裕氏に話を聞いた。

 

1.コロナ患者の搬送計画作成業務をシステム化

 グルーヴノーツは今年2月、福岡市が同社の「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」を採用したと発表した。MAGELLAN BLOCKSは量子コンピュータやAIなどの先進テクノロジーをクラウドで手軽に使えるようにしたプラットフォームサービスで、福岡市には宿泊療養の対象となる新型コロナウイルス感染症患者の搬送計画を作成するシステムの中核技術として提供し、同社がシステム構築も担った。また、福岡市とグルーヴノーツはこれに先立ち1月31日に、「都市DXに関する連携協定」を結び、データに基づく政策立案や行政事務の効率化、市職員のDX人材化に共同で取り組むことを発表している。