機関誌記事(記事単位)

2023.08.10

2023年8月号 トピックス ユーザーとの共創によるDXアプローチ: SmartPOSTの社会実装を通じて得られた実践知

xID株式会社
執行役員兼公共事業部長
加藤 俊介

1.はじめに

 マイナンバーカードの交付枚数は9千万枚を超え、全国民の7割以上が所有する身分証となった。この交付枚数は既に運転免許証を超えており、マイナンバーカードに関する政策は普及から活用に重心が移っている。
 当社xID(クロスアイディー)は、マイナンバーカードの普及率が10%台前半の頃から「マイナンバーカードを、スマートに」を掲げ、マイナンバーカードの活用に特化した事業に注力してきた。当社はマイナンバーカードで公的個人認証を行うことで、様々なオンラインサービスと連携し、マイナンバーカード相当の本人確認や電子署名などを付与できるデジタルIDアプリ(xIDアプリ)を提供している。このデジタルIDアプリは、連携するパートナー企業のサービスに接続することで、提供されるサービスに本来備わっていない認証などを付加できる。言わば、デジタル社会の「身分証」と「鍵」、「ハンコ」をオールインワンで提供するものである。
 住民はこのアプリを無料で利用することができ、自治体においては電子申請や施設予約、地域通貨、子育てアプリなどに、民間においてはクレジットカード発行や不動産取引など、官民双方の様々な場面でマイナンバーカードの活用の幅を広げている。