2025.10.31

理事長あいさつ

 

 

本年101日付で一般社団法人行政情報システム研究所の理事長に就任いたしました山下哲夫でございます。会員並びに本誌読者の皆様におかれましては、よろしくお願い申し上げます。

近年、我が国においては、人口減少や少子高齢化、地域格差などの社会課題が一層顕在化しております。とりわけ、行政においては、人的リソース等の制約がある中で、ますます複雑化・多様化するニーズ、課題に対して、サービスを効率的、効果的に提供していくことや様々な課題を的確に解決していくことが求められております。こうした背景のもと、政府は、デジタル・ガバメントの構築に向けて、データ、AI等革新が著しいデジタル技術を行政運営に最大限活用するとともに、これまでのサービス、業務、制度の改革、行政のDXの推進に重点的に取組んでおります。

これらの取り組みを行政において着実に実行し、目標を達成するためには、個別施策に関する民間や諸外国の取組動向、国や地方公共団体の現場における取組内容や課題を把握・分析し、行政の現場において活用できる先進的な事例を実践的な形式で幅広く提供することがますます重要になると考えています。また、国や地方公共団体における情報システムの構築や見直しにあたっても、トップダウンによる全体の方向性や方針に加えて、実際に情報システムを構築・運用、サービスを提供しつつ課題を把握している現場視点による改革アプローチも重要と考えております。

こうした考えのもと、当研究所は国や地方公共団体と民間の接点に位置する団体として、行政のデジタル化推進に係る諸課題解決のため、他に先駆けて、「行政におけるサービスデザイン思考アプローチの導入」などの調査研究や各種セミナー・シンポジウムの開催、行政のニーズと課題に沿ったテーマ特化型機関誌「行政&情報システム」発行などの普及啓発事業を通じ、行政のデジタル化推進のための支援を行ってまいりました。また、国のネットワークや認証基盤などの重要インフラの整備、その安定運用にも貢献してまいりました。さらには、行政の重要インフラ整備、運用で得たノウハウ、知見を活用し、新たな重要インフラ(たとえば、国・地方の新たなネットーワークや国の職員認証基盤)の提供などにも貢献していきたいと考えております。

引き続き、行政のデジタル化を推進する専門機関として、調査研究事業、普及啓発事業及びシステム事業に関係機関とも連携を図りつつ、積極的に取り組んでまいります。また政府の方針に沿いつつ政策を補完する当研究所の原点に立ち帰り、国民の期待に叶うデジタル・ガバメントの実現に向けてその役割を果たしてまいります。皆様の一層のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。

令和710月28日
一般社団法人行政情報システム研究所
理事長 山下哲夫

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