AIは行政の現場にどのような変革をもたらすのか――。東京都の一般財団法人GovTech東京と東京都デジタルサービス局は4月30日、「行政×AI」をテーマにした国際会議「ガブテックカンファレンス・グローバル」を開催した。アジア最大のグローバルイノベーションカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2026」のパートナーイベントとしてTokyo Innovation Baseにて開催された同カンファレンスには、行政におけるAI活用の第一線で活躍する世界のリーダーが集結。行政現場でのテクノロジー活用の過去、現在、未来についてオープンな議論が交わされた。同カンファレンスから、東京都副知事の宮坂学氏、デジタル先進国エストニアの法務・デジタル大臣であるリーサ=リ・パコスタ氏、そして独自の公務員向けAIを開発する台北市でCIOを務めるジャック・チャオ氏のプレゼンテーションをレポートする。
写真1 「SusHi Tech Tokyo 2026」のパートナーイベントとして開催された
(出典)筆者撮影
1.AIは人類にとって「3度目の大きな飛躍」――東京都副知事・宮坂学氏
オープニングに登壇した東京都副知事(兼GovTech東京理事長)の宮坂学氏はAIについて、「インターネットやスマートフォンの延長線上にあるものではなく、話し言葉の誕生や約5,000年前の書き言葉の発明に並ぶ『人類にとって3度目の大きな飛躍』である」と定義した。その上で、「AIは民主主義社会で政府を劇的に改善する可能性がある」と述べた。
写真2 東京都副知事兼GovTech東京理事長の宮坂学氏
(出典)筆者撮影
一方で、これほど強力なツールは常に諸刃の剣であり、監視や統制につながる危険性があることも指摘した。宮坂氏は「光が強ければ強いほど、その落とす影も濃くなる」として、重要なのは政府がAIをどう使うかではなく、「いかにAIを統治(ガバナンス)するか」であると強調した。
民主的な正当性と公共の信頼を維持しながらどのようにAIを導入し統治していくのか、またAI時代に政府はどう在るべきなのか、その問いに対する答えは「まだ分からない」としつつ、「共に学び、考えることで間違いを減らし、より早く答えに到達できる」と述べた宮坂氏。同カンファレンスがグローバルな共同学習の場となることに期待を寄せた。

