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2018.04.10

2018年04月号特集 オーストラリア諸州政府によるデジタルサービス改革の実践

一般社団法人行政情報システム研究所
調査普及部長/主席研究員 狩野 英司

1.はじめに

昨年5月にIT戦略本部で決定された「デジタル・ガバメント推進方針(以下「推進方針」)」では、従来のIT投資の圧縮に軸足を置いた政策から、利用者価値の最大化を図る方向へと電子行政の軸足を移し、行政サービスをデジタル前提で再設計していく方針が示された。こうした行政サービスのデジタル化に向けた改革の取組みは日本のみならず世界各国で進行している。中でも変革のリーダー的役割を演じてきたのは英国であるが、同国内閣府でオープンな政策形成に取り組む組織「ポリシー・ラボ」はこうした改革を、「デザイン」「データ」「デジタル」の3つが重なる「政策形成における3つのD」として表現している(図1)。日本でも、表現は違えどもこの3点が重視されていることは共通している。「推進方針」の内容に照らせば、行政サービスを利用者の一連の体験に基づいて再設計するサービスデザイン思考の導入が「デザイン」に、行政のオープン化を一層推進し、保有データを活用することが「データ」に、モバイル等のデジタル技術を徹底活用することが「デジタル」に、それぞれ符合するといえよう。