機関誌記事(記事単位)

2021.12.16

2021年12月号 特集 ゼロトラスト・アーキテクチャ導入の現状と今後の展望

PwCコンサルティング合同会社
パートナー
丸山 満彦

PwCコンサルティング合同会社
シニアマネージャー
上杉 謙二

はじめに

 米国政府は、ゼロトラスト・アーキテクチャ(以下、ゼロトラスト)採用に本格的に取り組み始めました。2021年5月、バイデン大統領は「政府のセキュリティ対策を向上させるための大統領令」に署名し、ゼロトラスト導入を積極的に推進するために、データへのアクセスを一元化すること等にコミットしたのです。その後、9月に米行政管理予算局(OMB)が「連邦ゼロトラスト戦略」の草案を、米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)が「ゼロトラスト成熟度モデル」の草案をそれぞれ公開し、パブリックコメントを実施しました。
 なぜ、行政機関はゼロトラストに取り組む必要があるのでしょうか。本稿では、ゼロトラストの概要を説明し、国内組織での実態調査をご紹介しながら、行政機関がどのように向き合っていくべきかを示します。