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2022.02.15

2022年2月号トピックス eシールがもたらすインパクト

トラストサービス推進フォーラム 
副会長
宮崎 一哉

1 はじめに

 2021年6月、「組織が発行するデータの信頼性を確保する制度に関する検討会取りまとめ」1及び「eシールに係る指針」2を総務省が公表した。これらはいずれも「eシール」に関わるドキュメントである。電子署名が自然人による押印や手書き署名に代わる電子的手段であるのに対し、eシールは法人による角印や社印に代わる電子的手段である。
 EU( 欧州連合) では、2014年に成立したeIDAS規則の中で電子署名に加えてこのeシールに法的な効力が与えられた。一方、日本では電子署名に法的裏付け(「電子署名及び認証業務に関する法律」。以下「電子署名法」と表す)がある一方、eシールには法的な裏付けが整備されていない。ところが、Society5.0やDFFT(Data Free Flow with Trust)、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)の流れから、eシールを含む「トラスト」の基盤の必要性の議論が始まり、総務省による制度整備に向けた検討の中で、これらのドキュメントが公開される運びとなった。