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2022.08.12

2022年8月号 連載企画 デンマーク・デジタル社会の全貌 No.8 デンマークのスマートシティから考える人間中心の意味

三菱 UFJリサーチ &コンサルティング株式会社
ソーシャルインパクト・パートナーシップ事業部
社会イノベ ーション・エ バンジェリスト
中島 健祐

1.人間中心の意味

 ここ数年スマートシティの議論でウェルビーイングや市民参加が取り上げられている。数年前までスマートシティといえばビッグデータ、人工知能、IoT、MaaSといった技術や社会インフラが議論の中心であったことを考えると環境の変化を感じる。例えば、スーパーシティ構想では住民の参画と合意の確認が認定要件の一つとされた。スマートシティは街づくりそのものである。日本も未来都市をつくりイノベーションを通じて成長を目指す際、地域の産業発展は大切であるが、スマートシティで暮らす市民の豊かな生活の質向上、そして幸福な人生の体感が前提であることが認識されてきたのだと思う。これらの要素をまとめてみると、技術&産業&インフラ中心から市民生活中心への移行、そして人間中心主義で街づくりそのものを再定義するということだ。