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2018.02.09

2018年02月号連載企画 行政情報化新時代 No.40 2017年の衆院選とネット―SNSは浸透したのか?

杏林大学総合政策学部
准教授 木暮 健太郎

1.風が吹かなかった選挙?

内閣支持率の低迷などから、「当面の解散はない」と考えられてきた状況を覆し、安倍首相は衆議院の解散に踏み切った。2017年9月28日に召集された臨時国会の冒頭、衆議院は解散され、10月10日公示、同月22日の投票となった。
結果については、すでに周知のとおりである。小池百合子都知事により設立された希望の党を中心に野党勢力が注目を集めた時点では、与党の苦戦が予想されたものの、終わってみれば自公で310議席を獲得し、与党が過半数を超えて政権を維持することとなった。
喩えていうならば、小池百合子氏が自ら「風」を起こして選挙という荒波を乗り切ろうとしながらも、気づけば自らが逆風にさらされ、急速にスピードを失っていったということであろう。そして、いわゆる無党派層の多くもまた、乗るべき「船」を見失ったかのような状況であった。衆院選の投票率が53.68%と戦後2番目の低さであった点にも、それは表れている。
さて、ネット選挙が2013年に行われた参院選で解禁されてから、今回で4度目の国政選挙となった。選挙で風が起きれば、ネットは大きな役割を果たす可能性があるが、今回の選挙でも、全体としては、ネットが注目されることは多くなかった。とはいえ、本当にネット上での盛り上がりにも欠ける「風の吹かない選挙」であったのだろうか。そこで本稿では、衆院選を振り返りながら、改めてSNSを中心に、選挙とネットについて考えてみたい。