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2018.10.10

2018年10月号連載企画 民間企業におけるICT活用事例 No.32 デジタル変革で「保険の先へ、挑む」 「安心・安全・健康のテーマパーク」へのトランスフォーメーション

SOMPOホールディングス株式会社
グループCDO/常務執行役員 楢崎 浩一

1.真のサービス産業へのトランスフォーメーションを目指す

130年の歴史を持つSOMPOホールディングスグループは、日本の社会やビジネスを支える保険業の進展とともに歩んできました。その足跡の中で大きなターニングポイントとなったのは、2010年の損害保険ジャパンと日本興亜損害保険の経営統合、2014年の両社合併による損害保険ジャパン日本興亜の誕生でした。2016年、損害保険ジャパン日本興亜ホールディングスからSOMPOホールディングスへの社名変更は、日本の「損保」から世界で伍していく「SOMPO」へ、グループ経営理念「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献します。」のもと真のサービス産業へと進化する新たな一歩となりました。

保険業にとって人口減少や気候変動に加え、デジタル・ディスラプション(デジタル技術による既存市場の破壊)は大きな脅威です。当社グループの連結利益の約50%を占める国内損保事業を例にとると、自動車のシェアリングサービスや自動運転車の普及により自動車保険のニーズが大幅に減少していく可能性があります。IoTInternet of Things)によりセンサーで守られたスマート工場やスマートハウス等に対し、火災保険の売り方も難しくなります。

生命保険においても、個人の遺伝子を分析し一人一人に適した予防や治療を行うオーダーメイド(個別化)医療の進展により、病気になったときの支援といった既存の保険の概念も変化していきます。従来型ビジネスモデルが縮小傾向にある一方で、サイバーテロといった新たな保険のニーズも生れています。また今後、強力な競合となるのは同業他社ではなく、デジタル技術を駆使したテクノロジー企業です。