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2019.04.10

2019年04月号特集 AI、IoT時代における行政職員の“はたらく”を考える

慶應義塾大学商学部
教授 山本 勳

1.AIなどの新たな技術による失業への懸念

少子高齢化に直面する日本の多くの職場で、人手不足が深刻化している。これまでは多少の人手不足が生じても、労働者11人が長時間労働することで仕事を回してきたかもしれない。しかし、今後予想される慢性的な人手不足に長時間労働だけで対処できるとは考えにくい。さらに、働き方改革関連法の施行などによる「働き方改革」によって、女性や高齢者をはじめとする多様な人材を活用するための環境整備として、長時間労働はむしろ是正される方向にある。

多様な人材の活用と並んで注目されているのが、AIIoTなどの新たな技術の活用である。新たな技術が直接的に人材の代わりになることだけでなく、高齢者や女性の仕事や作業をサポートすることや、情報技術を活用した柔軟な働き方が普及することなど、日本の人手不足を緩和する処方薬としてAIなどの普及に期待が寄せられている。実際、政府や自治体などの業務においてもAIIoTの積極的な活用が検討されている。