機関誌記事(記事単位)

2019.02.08

2019年02月号連載企画 「行政におけるウェルビーイングの設計 No.3 ペインマッピングによる痛みの共有」

早稲田大学
准教授 ドミニク・チェン

これまでの2回で、痛みの社会的な共有を通して合意形成を円滑化し、社会におけるウェルビーイングの醸成に活用するというアイデアを検証してきました。今回は、小規模な集団のなかで痛みを共有することの意味について、筆者の教育現場での実践を紹介しながら考えていきます。

 

1.ペインマッピング

痛みを共有するという考え方の背景には、筆者が大学教育の現場で考え出した「ペインマッピング」というワークショップの方法論があります。2013年頃から、IAMAS(情報科学芸術大学院大学)の院生や企業の従業員を対象にアイディエーションの授業を始めて、昨年からは同じプログラムを早稲田大学文化構想学部の自分のゼミや演習で行ってきました。

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