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2019.08.09

2019年08月号特集 行政におけるAI・ロボット等の活用の展望と課題

東京大学公共政策大学院
教授 城山 英明

1.はじめに

科学技術の研究開発や利用に関する意思決定を行うためには、その前提として、科学技術の多様な社会的影響を明らかにし、俯瞰的に整理することが求められる。社会的影響としては、リスクとともに、多様な社会的便益を可視化することも重要になる。

このような観点から、科学技術の社会的影響等を明らかにする活動として、テクノロジーアセスメント(技術の社会影響評価)がある。そして、このように明らかになった社会的影響を前提として、科学技術に関わる意思決定が行われることになる(城山2018a2018b)。

本稿では、総務省に設置されたAIネットワーク社会推進会議におけるアセスメントや地方自治体における実験的なAI等の活用事例を素材として、行政におけるAI・ロボット等の活用における社会的便益、リスクを整理してみることとしたい。現在、このような社会的便益の拡大を期待して、行政におけるAI・ロボット等技術の利用拡大が図られている。その上で、AI・ロボット等の技術を活用していく際の基本的課題を指摘したい。