研究所レポート

2019.04.09

基礎自治体におけるAI・RPA活用に関する調査研究報告書

(公財)東京市町村自治調査会及び(一社)行政情報システム研究所は、平成30年度に基礎自治体におけるAI及びRPAの活用に関する調査研究を共同研究として実施し、その結果を調査研究報告書としてとりまとめたのでお知らせします。

 <背景・趣旨>

近年、人間と同等又はそれ以上に高い精度で画像や対話内容を認識し、判断するAIや、定型的な作業を人間がコンピュータに設定することで自動かつ高速・正確に業務処理を行うRPAの実用化があらゆる分野で進められています。一方、自治体では少子高齢化に伴う人口の減少・ベテラン職員の大量退職等を背景に、人的・予算的な制約条件が厳しさを増すとともに、社会構造や世帯構成の変化に伴い、住民ニーズや地域課題は複雑化・多様化しています。このような状況の中で、行政課題を解決する手段としてAIRPAに注目が集まっています。

 政府でも、2018年7月に策定された「デジタル・ガバメント実行計画」において、自治体行政の様々な分野で、AIRPA 等による業務効率化を推進する方向性が示されており、具体的な取組やスケジュール等について検討し、2018 年度(平成 30 年度)以降、順次、構築に向けた取組を推進するとされています。また、「自治体戦略2040構想研究会」や「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する研究会」において自治体におけるAIRPAの活用に関する取組が進められているところです。

本調査研究では、AIRPAが、業務生産性の向上や住民サービスの向上にどのような役割を果たすかについて、事例を中心に整理を行っています。また、今後AIRPAを活用する際の課題は何か、活用が進んだ後の展望がどうなるかについてもあわせて提示しています。

 ♯本調査研究は、(公財)東京市町村自治調査会と(一社)行政情報システム研究所の共同研究により実施したものです。  

<報告書目次>

[本編]

第1章 調査研究の概要

第2章 AIRPAとは何か

第3章 自治体におけるAIRPAに関する取組状況

第4章 多摩・島しょ地域自治体におけるAIRPA活用に向けた現状

第5章 多摩・島しょ地域自治体はAIRPAをどう活用すべきか

[資料編]

資料1 先行自治体における取組

資料2 多摩・島しょ地域自治体における行政課題

資料3 有識者ヒアリング結果

参考データ 多摩・島しょ地域自治体アンケート調査結果

<報告書ページへのリンク>

(公財)東京市町村自治調査会ウェブサイト

 <お問合せ先>

一般社団法人 行政情報システム研究所 調査普及部

TEL: 03-3500-1121 E-mail: adp<@>iais.or.jp

(注)送信の際には、「<@>」を「@」に置き換えてください。) 

 <概要>

第1章 調査研究の概要

1.調査研究の背景・目的(第1節)
本調査研究は、自治体が人的・予算的に厳しさを増し、住民ニーズや地域課題が複雑化・多様化する中で、行政課題の解決手段としてAI(人工知能)・RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目されている状況を捉え、自治体職員に、AIRPAの活用について「気づき」を与えるとともに、活用の方向性、課題・進め方を整理し、活用が進んだ後の展望を提示するために実施した
2.調査研究の方法(第3節)

①ウェブ・文献調査:AIRPAに関する政策動向や先行研究、取組事例(国内自治体79事例、国10事例、民間企業約300事例、海外自治体28事例)、多摩・島しょ地域自治体の総合計画や行政改革に関わる計画書を調査、収集

②ヒアリング調査:先行自治体(9自治体14事例)におけるAIRPAの取組状況等を聞き取り。また、有識者に対して、自治体でのAIRPA活用における導入方法や導入課題、今後の展望についての見解を聞き取り

③アンケート調査:多摩・島しょ地域39自治体の企画担当課・情報システム担当課を対象に、情報化・データ活用の状況、及びAIRPAの活用可能性を調査

第2章 AI・RPAとは何か

1.AIの歴史・実用化の状況(第1節、第2節)

AI・RPAは、技術の進展の結果、行政でも様々な分野で活用できる可能性が出てきている

2.AI・RPAとは何か(第3節)

AIはデータを活用して「判断」する技術であるのに対し、RPAは単純な仕事を人に代わり「作業」する技術であるという違いがある

3.AI・RPA活用の意義(第4節)

AI・RPA活用の意義は、「業務生産性の向上」・「住民サービスの向上」といった自治体の課題に対して、「自動化」や「高度化」を通じて貢献することにある

第3章 自治体におけるAI・RPAに関する取組状況

1.自治体等における取組(第2節、第3節、第4節)

自治体での取組は多岐にわたるが、多く取り組まれている事例は「チャットボット」と「RPA」である

<ヒアリング先自治体(9自治体14事例)>

第4章 多摩・島しょ地域自治体におけるAI・RPA活用に向けた現状

1.行政情報化・データ活用の取組状況(第2節)

ビッグデータ活用の取組は一部にとどまる

「ビッグデータに対する理解不足」や「不十分な推進体制」がデータ活用の課題となっている

2.AI・RPAの活用可能性に関する検討状況(第3節)

AI・RPAの活用には、多くの自治体が関心を持つも、実際に取り組む自治体は少ない

AI・RPAを活用したい業務は、「会見や会議録をテキスト化する/要約する」、「事業所から送付される申請データを自動的にシステム上へ登録する」、「災害時にリアルタイムにハザードマップを作成する」等である

第5章 多摩・島しょ地域自治体はAI・RPAをどう活用すべきか

1.AI・RPAの活用可能性と方向性(第3節)

多摩・島しょ地域自治体の全ての行政課題において、解決策の1つとしてAI・RPAは活用し得る

行政課題の中から優先順位の高い課題を選び、「AI・RPAは課題解決のツール」の一つと認識し検討することが重要である

2.AI・RPA活用の課題(第4節)

AI・RPAの検討を行っていない自治体では、「検討に際してのハードル」を越える必要がある

AI・RPAの活用に向けて動き始めている自治体では、「本格導入に向けてのハードル」を認識し、取組を進めていく必要がある

3.AI・RPA活用の進め方(第4節)

自治体がAI・RPA活用に際して直面する「検討に際してのハードル」と「本格導入に向けたハードル」への対応策を整理した

4.AI・RPA活用後の自治体への影響と職員の将来像(第5節)

「業務生産性の向上」と「住民サービスの向上」を図るためには、自治体業務や職員の意識を変えることが必要となる