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2019.10.10

2019年10月号特集 デジタル・ガバメントへの期待

一般社団法人日本IT団体連盟
事務局長 小林 聡史

1.はじめに

ビッグデータ、AI、IoTという、デジタル社会の新たな「装置」に関する言葉を一度も聞いたことがない人はもはやいないだろう。今日、それらへの関心は社会で高まるばかりだ。政府の成長戦略実行計画の冒頭においてもデータ活用の重要性について述べられている。しかし、その具体像を想起できる人は少ないのではないだろうか。
そこで、ここに一つのイメージ方法を提案したい。「データは21世紀のオイルである」といわれるが、まさにデータを燃料として思い描くとわかりやすい。ガソリンがエンジンに注入され、動力がうまれ車が走るように、データがコンピュータに注入され、生産性が向上することで浮いた資本や時間が新たな場に投資され、動力がうまれて社会が発展する。データはガソリンで、AI(コンピュータ)はエンジン、IoTをふくむ全体がデータの収集と再投資の装置だ。
本稿では日本IT団体連盟(以下、「IT連盟」)が本年2月にまとめた政策要望を紹介しながら、我々が見ているデータ駆動型社会の具体像と、デジタル・ガバメントへの期待を述べたいと思う。IT連盟はソフト開発や、コンピュータ販売はもちろん、ネットワーク、教育、医療情報やエンターテインメントに関わるIT業界の団体が集うので、IT政策への関心の幅はそれだけ広い。