1.レジリエンスとフルーガル
前回、都市がレジリエントになるためのキーワードとして、「フルーガル」の考え方をご紹介した。フルーガルな情報システムとは、最小限のリソースを用いながら現場のニーズに機動的にこたえていくものである。都市を襲う突発的なショック要因、あるいは長期的な影響をもたらすストレス要因に対応するための情報システムの在り方として重要な考え方となる。続編となる本稿では、まず、著者がなぜフルーガルの考え方が重要だと思うにいたったのか、少し時間をさかのぼるが2011年東日本大震災の事例を踏まえながらご説明する。ここからは、地域ごとに異なる状況や時間の経過とともに変わっていくニーズに、情報システムがどのように応えていくことができるのか?という視点を持ちながらお読みいただきたい。