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2022.06.10

2022年6月号トピックス 佐賀市介護予防DX―データを活用した介護予防の推進― ~地方公共団体における統計データ利活用表彰「総務大臣賞」受賞事例より~

佐賀市 保健福祉部
高齢福祉課 長寿推進係長
菅 祐亮

1.重症化予防・介護予防の「佐賀市モデル」

 デジタルトランスフォーメーション-通称DX。スウェーデンの大学教授のエリック・ストルーマンが提唱した概念であり、「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」(総務省「自治体DX全体手順書」から引用)とされているが、その定義は幅広く捉えることができる。佐賀市は、そんなDXを介護予防に取り入れ、データを活用した介護予防の推進による健康長寿のまちづくりを目指している。
 佐賀市介護予防DXの目指す成果は大きく二つある。一つ目は、ビッグデータを活用したエビデンスに基づく医療費・介護費の適正化で、二つ目は、生活習慣病予防・介護予防による高齢者の生活の質(QOL)の確保・向上および健康寿命の延伸である。
 これらの成果目標を達成するために、当市では、介護の重度化予防が可能な疾病に着目した取り組みを介護予防DXの一丁目一番地としている。