機関誌記事(記事単位)

2022.10.10

2022年10月号 特集 ドローン有人地帯・目視外飛行の実現がもたらすもの

国土交通省航空局安全部無人航空機安全課
無人航空機企画調整官
小御門 和馬

取材/岡田 浩之、小池 千尋(行政情報システム研究所)、平野 隆朗(同)
文/岡田 浩之

 高所での撮影・点検から農薬・肥料の散布、測量、物資の輸送、軍事利用まで──
 用途も機種も実に幅広いドローン(無人航空機)は、活用されるさまざまな分野において、従来の業務のあり方を大きく変えるゲームチェンジャーと見なされている。
 日本国内でも急速に活躍の場を増やしてきたドローンだが、今また大きな変化の時期を迎えている。 これまで認められなかった「レベル4」飛行、つまり有人地帯での補助者なし目視外飛行が、国の規制改革により今年度中に解禁されるのだ。

 ドローン活用の何が変わるのか、新たなドローン活用で何を変えるのか。
 レベル4飛行の実現に向けた制度の整備に取り組んでいる国土交通省航空局安全部無人航空機安全課の小御門和馬・無人航空機企画調整官に聞いた。

 

1.レベル4飛行を可能にするのは航空法改正

- ドローンを活用した社会課題の解決に向けて、これまでどのような制度整備が行われてきたのでしょうか。
小御門:2015年に首相官邸の屋上にドローンが落下するという事案がありまして、そこで国土交通省航空局としても無人航空機を規制しなければいけないということになり、その年に航空法を改正して飛行禁止空域と飛行の方法の制限を定めました。