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2021.12.20

公共分野デジタル化動向(2021.12.20)

1.『行政&情報システム』2021年12月号発行のお知らせ
2.公共分野デジタル化動向
[政 府] デジタル庁、デンマーク外務省と覚書を締結 ほか
[自治体] 新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入 ほか
[海 外] 英国政府、初のFuture Tech Forumで国際デジタル協定に署名 ほか

公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。

 

1.『行政&情報システム』2021年12月号発行のお知らせ

今号の特集『オンライン化を支えるセキュリティ』では、コロナ禍とそれを契機とするデジタルトランスフォーメーションが進展する中で、政府がどのような戦略の下、どのようなセキュリティ対策を講じているのか、また、安全・安心なオンライン化を確保するために、どのような技術が用いられているのかについて、重要なポイントを中心に解説します。

https://www.iais.or.jp/articles/articlesm/20211216/20211210/

 

2.公共分野デジタル化動向

【政府】

■デジタル庁、デンマーク外務省と覚書を締結
デジタル庁は、デンマーク外務省とデジタル分野における協力の覚書(MOU)を締結しました。デジタル庁は、初めて他国とMOCを締結し、デジタル化やDFFTに関する相互協力を推進していく予定です。
https://www.digital.go.jp/posts/V7GLkItd

 

■デジタル庁、多様なステークホルダーで行政デジタル化をともに考える「Govtech Meetup」を開催
デジタル庁は、デジタル庁を起点とした多様なステークホルダー間の行政デジタル化の知見の共有および関係者の交流を行う「Govtech Meetup」を開始します。デジタル庁は、本取組をきっかけに、日本国内のGovtechに関わる関係者のエコシステムの形成を進めることを目指します。ミートアップの第1回目は、12/14(火)~来年3月末までに全7回を予定しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000086734.html

 

■デジタル庁、「こどもに関する情報・データ連携 副大臣プロジェクトチーム(第1回)」を開催
デジタル庁は、11/26(金)に「こどもに関する情報・データ連携 副大臣プロジェクトチーム(第1回)」を開催しました。本PTでは、市町村や支援機関等が保健福祉や教育等の取組の過程で得られた、個々のこどもに関する情報・データを活用して、こうしたこども・家庭を把握するとともに、能動的な「プッシュ型」「アウトリーチ型」「ワンストップ」の支援が実現されるよう、情報・データの連携の在り方等について検討します。

https://www.digital.go.jp/meeting/posts/Sl200Av1

 

■内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)、「クラウドを利用したシステム運用に関するガイダンス」を公表
内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、「クラウドを利用したシステム運用に関するガイダンス」を公表しました。本資料には、クラウドサービス利用者が、昨今増加傾向にあるクラウドサービスの利用に関するインシデントの発生を可能な限り抑制し、また、インシデントが発生した際に円滑に対応できるよう、望ましい取組や留意点等が記載されています。本資料は、重要インフラ事業者等に向けて策定したものを、広く一般にも活用していただけるよう公表するものです。
https://www.nisc.go.jp/active/infra/shisaku1.html

 

■文部科学省、2022年より添付ファイル付メールの運用を変更
文部科学省は、送受信メールの添付ファイルをクラウドストレージに自動で移し、受信者がファイルをクラウドストレージからダウンロードする仕組みを導入すると発表しました。NECのメールセキュリティー製品「MCメールフィルター」のBox連携機能と組み合わせ、添付ファイルをBoxへ自動で移し、メールの受信者にはBoxのURLが届き、受信者はURLにアクセスしてファイルを取得する運用となっています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/mext_01727.html

 

■国土交通省、自動車メーカーの完成検査にAIを活用、自動化設備の使用を解禁
国土交通省は、自動車メーカーの完成検査にAIを活用して、自動化設備を使用できるように、法令を公布・施行しました。道路運送車両法では、自動車メーカーに製造した自動車を一台毎に完成検査することが義務づけられています。しかし、生産年齢人口の減少、労働者の働き方の多様化が進み、人材確保が困難になっていました。AIによる自動車検査用機械器具の基準については、完成検査員と同等以上の精度を持ち、異常を検出した場合には自動で停止することとするなどの条件として、自動化設備を使用できるようにしました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_004263.html

 

■国土交通省、DX推進本部を設置 1回目の会議を開催
国土交通省は、DX推進本部を設置し、1回目の会議を開催しました。データとデジタル技術の活用による所管分野における業務やビジネスモデル自体の革新や国民のニーズを基にした行政サービスの変革、国土交通省自体の文化・風土や働き方の変革、大臣をはじめとする幹部の意識の変革および積極的な関与による省横断的な取り組みを推進する「国土交通省DXビジョン(仮称)」を策定する予定です。
https://www.mlit.go.jp/report/press/joho01_hh_000052.html

 

【自治体】

■兵庫県、女性のためのSNS相談「こころちゃっと」、WEB居場所「CoCoカフェ」を開始
兵庫県は、SNS相談「こころちゃっと」を開始しました。オンラインのチャット機能を使って相談ができ、女性相談員がお悩みの解決の糸口を見つけるお手伝いをします。 また、WEB居場所「CoCoカフェ」も開設しました。ZOOMを使って、同じ悩みを抱える女性たちが語り合える居場所をつくっています。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk17/tsunagari.html

 

■新潟県三条市、全庁職員に「LINE WORKS」を導入
新潟県三条市は、職員約920名と関連施設や各課の公用スマホに「LINE WORKS」IDを配布し、各課の速やかな連携を可能にしました。カレンダー機能や掲示板機能の活用により、業務効率化を実現しています。また、災害時の連絡ツールとしての活用やワクチン接種に関する医療機関との連携をスムーズに行える環境づくりも実施しています。特に医療機関との連携について、医療機関からの質問への回答はグループトークで行うことで、他の医療機関にも共有されるようにし、各医療機関とのスムーズな連携を実現しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000254.000020202.html

 

■三重県松坂市、書かない窓口を各地域振興局で開始
三重県松坂市は、各地域振興局でも「書かない窓口」を開始しました。お客様は、印字された内容の確認と署名のみで申請ができます。
https://www.city.matsusaka.mie.jp/soshiki/15/kakanaisinkokyoku.html?fbclid=IwAR02h7kO8f99UyJyiwGM3wmvWoHm5Vn2eXTvVpMg0ogq449VEHxk4LfnoqI

 

■三重県伊丹市、自治体職員 約,500名の情報共有基盤としてクラウド版 Garoonとkintoneを導入
三重県伊丹市は、自治体職員 約1500名の情報共有基盤として、クラウド版 Garoonとkintoneを同時に導入し、20年利用したグループウェアのリプレースの課題を解決し、年間約430,000枚分のペーパーレス化も実現した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000194.000027677.html

 

■兵庫県豊岡市、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進戦略(骨子)」を策定
兵庫県豊岡市は、DXのめざす姿とその実現手段等を明確にするとともに、市民、職員その他の関係者が共通認識を持つために「DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進戦略(骨子)」を策定しました。長期目標として『市民一人ひとりにデジタル技術の恩恵が行き渡り、多様な市民の多様な思いが叶えられている』を掲げています。
https://www.city.toyooka.lg.jp/shisei/keikaku/1018497.html

 

■福岡県福岡市、自治体DXにクラウド型モバイルPOSレジの「POS+」を活用
福岡県福岡市は、市内7区役所や出先機関など計20拠点で、クラウド型モバイルPOSレジ「POS+」の提供を開始しました。「POS+」を三井住友カード株式会社のオールインワン決済端末「stera terminal(ステラターミナル)」上に、POSレジアプリとしてダウンロードすることで、キャッシュレス決済を始め、POSレジ機能の利用や、全拠点の一括管理が可能になります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000056468.html

 

■福岡県飯塚市、ブロックチェーン推進宣言を発表
福岡県飯塚市は、ブロックチェーン推進宣言を発表しました。推進宣言を実装するため、産学官が連携してプロジェクトに取り組む「FBA(Fukuoka Blockchain Alliance/フクオカ・ブロックチェーン・アライアンス)」を設立しました。
https://www.city.iizuka.lg.jp/jyohokoho/shise/koho/machi/r0311/r031115_blockchain.html

 

■宮崎県川南町、トラストバンク及びデジタル地域通貨「トロン通貨」と連携して、30%のポイント還元となる自治体マイナポイントモデル事業を開始
宮崎県川南町は、独自のデジタル地域通貨「トロン通貨」において、国がマイナポイント事業の実施を通じて構築したマイキープラットフォームとキャッシュレス決済サービスのシステム連携基盤の活用を推進する「自治体マイナポイントモデル事業」に参画し、30%分のポイント還元を行う経済活性化支援を開始します。また、これに合わせて、町内のマイナンバーカードの普及も図ります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000780.000026811.html

 

■鹿児島県さつま町、全国初「災害査定」の実証実験を開始
鹿児島県さつま町は、全国で初めて、「災害査定」の実証実験を開始します。これまで、災害復旧事業の費用の適正を確認し、被害状況を記録して提出していましたが、場所により調査に時間がかかり、査定が長期間に及ぶことが課題でした。VR(360°映像を用いたバーチャルツアー)やクラウドを用いた「災害査定」の試行は全国初です。
http://www.qsr.mlit.go.jp/sendai/press_info/R3/211126.pdf

 

【海外】

■英国政府、初のFuture Tech Forumで国際デジタル協定に署名
英国政府は、ロンドンで開催された第1回Future Tech Forumにおいて、新たなデジタル貿易の機会を創出し、国境を越えた貿易の障壁を取り除き、企業のコストを削減するための一連の協定を締結しました。現在交渉中の英国・シンガポール間のデジタル経済協定(DEA)を支えるものとして貿易関係を強化し、企業にデジタル貿易を促進することで、消費者にも利益をもたらすことを目指しています。
https://www.gov.uk/government/news/uk-signs-series-of-international-digital-agreements-at-first-future-tech-forum

 

■一般調達庁(GSA)、市民向けデジタルサービスを対象とした米国救済計画(ARP)の資金提供を受けることになったプロジェクトを発表
一般調達庁(GSA)は、市民向けデジタルサービスを対象とした米国救済計画(ARP)の資金提供を受けることになったプロジェクトを発表しました。ARPは、コロナからの回復と再建を支援するために、政府全体の市民向けサービスを提供し、透明性、セキュリティ、効率性を向上させるデジタルサービスの提供を再構築するためのものです。
https://www.gsa.gov/about-us/newsroom/news-releases/gsa-announces-projects-selected-to-receive-american-rescue-plan-arp-funding-for-citizenfacing-digital-services-11152021

 

■米国国土安全保障省(DHS)、サイバーセキュリティ人材管理システム(CTMS)を発表
米国国土安全保障省(DHS)は、サイバーセキュリティ人材管理システム(CTMS)を発表しました。CTMSは、国内の優秀なサイバーセキュリティ専門家をより効果的に採用し、育成し、維持するための新しい人事システムです。実証された能力に基づいて応募者を審査し、従業員に競争力のある報酬を与え、DHSに採用されるまでの時間を短縮することで、ミッションクリティカルなサイバーセキュリティのポジションを埋めることを可能とします。
https://www.dhs.gov/news/2021/11/15/dhs-launches-innovative-hiring-program-recruit-and-retain-world-class-cyber-talent

 

■豪・デジタル変革庁(DTA)、政府のデータセキュリティへの取り組みを支援するため、専用の「ホスティング認証フレームワーク」ウェブサイトを開設
豪・デジタル変革庁(DTA)は、政府のデータセキュリティへの取り組みを支援するため、専用の「ホスティング認証フレームワーク」ウェブサイトを開設しました。国民のデジタルサービスの利用増加に伴い、政府システムや保有データを効果的かつ安全に管理するための取り組みを強化することを目的としています。ホスティング認証フレームワークは、政府システムとデータ保護のための重要な方針であり、政府全体のホスティング戦略で説明されている原則(特に、全データは適切なレベルのプライバシー、主権、およびセキュリティ管理のもとでホスティングされなければならないという要件)を運用しています。
https://www.dta.gov.au/news/hosting-certification-website-simplifies-data-protection-process

 

 

 

(編集) 行政情報システム研究所 研究員 水野淳史