Hot Topics

2023.01.17

公共分野デジタル化動向(2023.1.17)

1.公共分野デジタル化動向
[政 府] 内閣官房、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」閣議決定 ほか
[自治体] 東京都、「東京都観光データカタログ」開設 ほか
[海 外] 欧州委員会、「オープンデータ成熟度レポート2022」公表 ほか

公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。

※本内容はメルマガでも配信しております。メルマガでは機関誌刊行のお知らせやイベント情報等も掲載しておりますので、是非ご登録ください!登録フォームはこちら

 

1.公共分野デジタル化動向

 

【政府】

■内閣官房、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」閣議決定
内閣官房は、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を12/23(金)に閣議決定しました。本戦略は、デジタル⽥園都市国家構想基本⽅針で定めた取組の⽅向性に沿って、各府省庁の施策の充実・具体化を図るとともに、KPIとロードマップを位置付けた、2023年度から2027年度までの5か年の新たな総合戦略です。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/pdf/20221223_honbun.pdf

 

■内閣府、「マイナンバーの利活用拡大に向けたロードマップ」経済財政諮問会議決定
内閣府は、「マイナンバーの利活用拡大に向けたロードマップ」を12/22(木)に経済財政諮問会議にて決定しました。これはマイナンバーの利活用拡大に向けた令和9年までの工程を、「きめ細かな社会保障等の基盤整備」「行政事務の効率化」「所得情報等の活用・情報連携」「国民理解の拡大」の4つのカテゴリ別にまとめたものです。
https://www5.cao.go.jp/keizai2/mynumber/roadmap.pdf

 

■デジタル庁、マイナポータル実証アルファ版をリリース
デジタル庁は、「マイナポータル」のサイト設計や表現を見直した、実証中のウェブサイトをアルファ版として12/19(月)に公開しました。これは現在のマイナポータルにある機能を見つけやすく、アクセスまでの手間を減らすように見直ししたものです。利用者からの意見をもとに随時改善や機能追加していくこととしています。
https://www.digital.go.jp/policies/myna_portal/validation/

 

■デジタル庁、政策データダッシュボード(ベータ版)公開
デジタル庁は、政策に関するデータを一元的に表示した「政策データダッシュボード(ベータ版)」の公開を12/19(月)に開始しました。これはデジタル庁のデータに基づいたオープンな政策立案・実施を目指す取り組みの一環として実施するものであり、まずは、マイナンバー政策に関するデータをリアルタイムに近い形で公開していくとのことです。ダッシュボードの各種数値については、毎週金曜日の更新を予定しています。
https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard/

 

■デジタル庁、「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表」公表
デジタル庁は、「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表」を12/21(水)に公表しました。本書は昨年6/3に策定した「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」等に基づき、我が国における全ての法令の中で、7項目のアナログ規制及び「FD 等の記録媒体を指定する規制」に該当するアナログ行為を求める場合があると解される条項のうち、当該条項に係る規制の見直しを実施することとされたものについて、それぞれの見直しに向けた工程を明記したものです。
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/c43e8643-e807-41f3-b929-94fb7054377e/1420dca1/20221221_meeting_administrative_research_outline_08.pdf

 

■デジタル庁、デジタル田園都市国家構想実現に向けた地域幸福度(Well-Being)指標の活用促進に関する検討会(第1回)開催
デジタル庁は、デジタル田園都市国家構想実現に向けた地域幸福度(Well-Being)指標の活用促進に関する検討会(第1回)を12/19(月)に開催しました。本会の目的は、デジタル田園都市国家構想の実現に向け、共助の取組による地域の豊かさと心豊かな暮らしの共通の指標となる地域幸福度指標の活用 、高度化について検討することです。
https://www.digital.go.jp/councils/digital-garden-city-nation-wellbeing/4245b389-4a07-4bc9-ae23-ab5662a4cf41/

 

■デジタル庁、「Web3.0研究会報告書」公表
デジタル庁は、「Web3.0研究会報告書」を12/27(火)に公表しました。本書は、Web3.0の下での新しいデジタル技術を様々な社会課題の解決を図るツールとするとともに、我が国の経済成長につなげていくという基本的考え方の下で、デジタル資産や分散型自律組織(DAO)等6つのテーマに関するWeb3.0の推進に向けた環境整備について検討を行った結果をとりまとめたものです。
https://www.digital.go.jp/councils/web3/#report

 

■総務省、青少年のICT活用のためのリテラシー向上に関するワーキンググループ(第1回)開催
総務省は、青少年のICT活用のためのリテラシー向上に関するワーキンググループ(第1回)を12/14(水)に開催しました。本会は、近年、青少年の ICT 活用が日常的になっていることから、自分たちの意思で自律的にデジタル社会と関わっていくという「デジタル・シティズンシップ」の考え方も踏まえつつ、青少年のICT活用に向けたリテラシーの向上を図るための方策について検討を行うものです。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_literacy/02ryutsu05_04000200.html

 

■総務省、「AI経済検討会 報告書2022」公表
総務省は、「AI経済検討会 報告書2022」を12/23(金)に公表しました。本書は、AI経済検討会にてデータの経済価値についての実証分析を引き続き実施すると共に、ヒアリング等を通じてデータ活用やデジタル化の実態の把握や検討の深化等を進めてきた検討を統括したものです。主な検討のスコープは「業種・分野の偏りへの対応」「アンケート調査・分析の改善」「定点観測化に向けた検討」の3点としています。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000113.html

 

■総務省、情報通信ネットワークにおけるサイバーセキュリティ対策分科会(第1回)開催発表
総務省は、情報通信ネットワークにおけるサイバーセキュリティ対策分科会(第1回)の開催を1/11(水)に発表しました。本会では、依然としてIoT機器を狙ったサイバー攻撃が多く発生している状況等に対応するため、NOTICEや「電気通信事業者による積極的なサイバーセキュリティ対策に関する総合実証」等の取組みを含めた情報通信ネットワークにおけるサイバーセキュリティ対策について検討を行うこととしています。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00155.html

 

■文部科学省・気象庁、「気候予測データセット2022」及び解説書を公表
文部科学省・気象庁は、我が国の気候変動適応に資する予測情報として「気候予測データセット2022」及び解説書を整備し、12/22(木)に公表しました。目的は、地方公共団体で進められている地域気候変動適応計画の策定や施策の推進、また民間企業において活発化しているESG投資の拡大等の取組を促進することです。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01162.html

 

■厚生労働省、「医療機関向けセキュリティ教育支援ポータルサイト」開設
厚生労働省は、「医療機関向けセキュリティ教育支援ポータルサイト」を12/8(木)に開設しました。目的は、医療機関の更なるサイバーセキュリティ対策の強化を図ることです。本サイトを活用し、医療機関の経営層や医療従事者等、階層別のサイバーセキュリティ対策研修等を実施予定としています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29579.html

 

■経済産業省、「デジタルスキル標準」公表
経済産業省とIPAは、「デジタルスキル標準」をとりまとめ12/21(水)に公表しました。本標準は、ビジネスパーソン全体がDXに関する基礎的な知識やスキル・マインドを身につけるための指針である「DXリテラシー標準」(2022年3月公表済)、及び、企業がDXを推進する専門性を持った人材を育成・採用するための指針である「DX推進スキル標準」(今回新たに公表)の2種類で構成されています。
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221221002/20221221002.html

 

 

【自治体】

■長野県、歴史史料の購入に係るクラウドファンディングによる寄付を募集
長野県は、長野県立歴史館において長野県にゆかりのある貴重な文書「武田晴信書状」を購入するため、歴史史料の購入に係るクラウドファンディングによる寄附の募集を12/16(金)に開始しました。目的は、現在市場に流通している「武田晴信書状」の購入・公開を通じて、広く長野県の文化を知ってもらうことです。募集期間は3/15(水)までです。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/bunsho/happyou/20221216predd.html

 

■東京都、「東京都観光データカタログ」開設
東京都は、観光統計データをダッシュボード化したホームページ「東京都観光データカタログ」を12/19(月)に開設しました。目的は観光に関する統計情報を分かりやすく伝えるとともに、民間事業者等のマーケティング活動を支援することです。特色は誰でも簡単に利用でき、利用者の目的に応じた分析が可能であること等としています。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/12/19/03.html

 

■三重県、「みえのデジタル社会の形成に向けた戦略推進計画」策定
三重県は、「みえのデジタル社会の形成に向けた戦略推進計画」を12/24(土)に策定しました。本計画では「みんなの想いを実現する『あったかいDX』」を基本理念とし、「誰もが住みたい場所に住み続けられる三重県」を目指す姿としています。また人々の生活の中心となる「暮らし」、暮らしを支える「しごと」、そして社会を支える「行政」の3つの分野に取組方針を区分して、各取組を進めることとしています。
https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0345000021.htm

 

■札幌市、「さっぽろ圏データ取引市場」開設
北海道札幌市は、行政や企業が持つデータを取り引きできる市場「さっぽろ圏データ取引市場」を12/14(水)に開設しました。これは、企業などが保有するデータを、無償又は有償で提供・利用することができるWEB上のサービスです。データ利用者は、本サービスを通じて無償提供・有償販売される多様なデータをAPIを通じて入手することができます。またデータ提供者に対しては、保有するデータを無償提供または有償販売できる安全安心な市場環境を提供することとしています。
https://www.city.sapporo.jp/kikaku/ictplan/market/market.html

 

■戸田市、NFTをふるさと納税返礼品として提供する実証実験を開始
埼玉県戸田市は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)と連携し、NFTを使った実証実験を行うことを12/16(金)に発表しました。本実証実験は、戸田市の戸田ヶ原自然再生キャラクター「とだみちゃん」をCTCの技術で3D化及びNFTにし、新たなふるさと納税返礼品として提供する事業、また3Dとだみちゃんと一緒にAR写真が取れるアプリを提供する事業の2つで構成されています。
https://www.city.toda.saitama.jp/soshiki/214/keizai-todami3d-ar.html

 

■裾野市・北九州市、協力して『窓口オンライン予約・発券システム』のパイロットプロジェクトを開始
静岡県裾野市・福岡県北九州市・フロントデスクジャパン株式会社の3者は、市民サービスの向上及び自治体の業務改善に向け、『窓口オンライン予約・発券システム』のパイロットプロジェクトを開始することを1/4(水)に発表しました。将来的には、蓄積したデータを用いた窓口業務の改善や、政策立案に寄与するものとして、実証の取組を進めることとしています。
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/001017683.pdf

 

■飯塚市、ブロックチェーン技術を活用した行政文書電子交付の実用化に向けた実証事業成果を公開
福岡県飯塚市は12/19(月)に、連携協定を結ぶ4社と実施した、ブロックチェーン技術を活用した飯塚市の行政文書電子交付に係る実証事業について、約2年間の実証事業成果を取りまとめました。報告書では、2回の社会実験を通じてトラストサービスにおける流通基盤の安全性・信頼性を確認し、社会実装に向けた課題(技術課題・法的課題を含む)も整理される等有用な実証結果が得られたとしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000113234.html

 

 

【海外】

■欧州委員会、「オープンデータ成熟度レポート2022」公表
欧州委員会は、「オープンデータ成熟度レポート2022」を12/14(水)に公表しました。本書は、EU全体におけるオープンデータの公開と活用の進捗について、政策・インパクト・ポータル・質の4側面から調査したものです。本年の総合首位はフランスです。
https://data.europa.eu/en/news-events/news/open-data-maturity-report-2022-out

 

■欧州委員会、「デジタルの権利と原則に関する欧州宣言」署名
欧州委員会は12/15(木)、「デジタルの権利と原則に関する欧州宣言」に署名しました。本宣言は、EUの基本的価値観及び権利に則り、人間を中心に据えた安全・安心・持続可能なデジタル変革へ向けたEUの使命を示すものです。「社会連帯とインクルージョン」等6つの章で構成されています。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_22_7683

 

■英国DCMS・CDEI、報告書「デジタル規制に対する国民の意識:トラッカー調査」公表
英国DCMS(デジタル・文化・メディア・スポーツ省)・CDEI(データ倫理・イノベーションセンター)は、報告書「デジタル規制に対する国民の意識:トラッカー調査」を1/9(月)に公表しました。本書は、デジタル技術の活用に関して英国政府が正しい規則を設けているか、また現状のデジタル規制に関わるアプローチが適切に機能しているかを国民に調査したものです。
https://www.gov.uk/government/publications/public-attitudes-to-digital-regulation-tracker-survey

 

■英国内閣府、レジリエンスフレームワークを公表
英国内閣府は、レジリエンスフレームワークを12/19(金)に公表しました。本フレームワークは、レジリエンスについて英国政府が定める3つの基本原則に基づき、レジリエンスに対する新たな戦略的アプローチをどのように実現するかを初めて明文化したものです。2030年までにレジリエンスを強化するための施策が、リスクや投資等6つの観点から明記されています。
https://www.gov.uk/government/publications/the-uk-government-resilience-framework

 

■米国国務省、「重要・新興技術特使事務所」設立
米国国務省は、「重要・新興技術特使事務所」を1/3(火)に設立しました。国務省が技術外交の強化に取り組む中、特使室は重要・新興技術の外交政策を立案・調整すると共に、バイオテクノロジー、先進的コンピューティング、AI、量子情報技術等、社会・経済・安全保障を変革する新興技術について外国のパートナーに働きかけるための専門知識とエネルギーの中心を提供することとしています。
https://www.state.gov/establishing-the-office-of-the-special-envoy-for-critical-and-emerging-technology/

 

■OECD、デジタル経済閣僚会合開催
OECDは、デジタル経済閣僚会合を12/14(水)~15(木)に開催しました。本会合ではデジタル経済分野の近年の進展や課題について議論が行われると共に、「信頼性のある、持続可能で、包摂的なデジタルの未来」に関する閣僚宣言を採択しました。
https://www.oecd.org/newsroom/landmark-agreement-adopted-on-safeguarding-privacy-in-law-enforcement-and-national-security-data-access.htm

 

■OECD、「データガバナンスポリシー策定のためのガイド」公表
OECDは、「データガバナンスポリシー策定のためのガイド」を12/14(水)に公表しました。本書は、OECDがデータガバナンスに関して有する知見を以って、政策立案者によるデータガバナンス政策の策定・運用を支援するものです。
https://www.oecd-ilibrary.org/science-and-technology/going-digital-guide-to-data-governance-policy-making_40d53904-en

 

 

(編集) 行政情報システム研究所 研究員 小池千尋