公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。
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1.公共分野デジタル化動向
【政府】
■内閣官房、「冬のDigi田甲子園」募集開始
内閣官房は、10/28(金)に「冬のDigi田甲子園」の募集を開始しました。本取組みは、デジタル田園都市国家構想を全国津々浦々で力強く進めていくことが目的です。表彰対象は、デジタルの活用により地域の個別課題を実際に解決し、住民の暮らしの利便性と豊かさの向上や地域の産業振興につながっているものとしています。応募期間は本年12/20(火)までです。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/index.html
■ISMAPの制度所管省庁、「ISMAP-LIU」運用開始
ISMAPの制度所管省庁(内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター・デジタル庁・総務省・経済産業省)は、ISMAPの枠組みのうち、リスクの小さな業務・情報の処理に用いるSaaSサービスを対象とする仕組みである「ISMAP-LIU」を新たに設け、11/1(火)から運用を開始しました。これにより、クラウド・バイ・デフォルトの更なる拡大を推進していくことが期待されます。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00150.html
■デジタル庁、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に関する共通機能等技術要件検討会(第1回)開催
デジタル庁は、10/12(水)に地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に関する共通機能等技術要件検討会(第1回)を開催しました。本会は地方公共団体情報システム共通機能標準仕様書及び地方公共団体情報システムデータ要件・連携要件標準仕様について、実装・運用を行う場合に具体化・詳細化が必要な事項を検討することが目的です。データ連携WT、宛名管理WT、申請管理WTにより構成されています。
https://www.digital.go.jp/councils/dea0e0ed-a5a9-4aa3-9be0-a2b50c647380/
■デジタル庁、「官民連携型防災DX推進協議会(仮称)」の設置を発表
デジタル庁は、10/28(金)に「官民連携型防災DX推進協議会(仮称)」の設置を発表しました。これは防災分野におけるデータ連携を促進し、デジタル防災を強力に推進することが目的です。また本協議会に参画する民間事業者及び地方公共団体の公募を開始すると共に、協議会における今後の意見交換等の参考とするため「防災分野のデジタル技術を活用したサービス」の公募も開始しました。締切は、前者が11/11(金)17時、後者は11月18日(金)17時です。
https://www.digital.go.jp/policies/disaster_prevention/
■デジタル庁、英国とデジタル分野における協力覚書(MoC)に署名
デジタル庁は、11/1(火)に英国とデジタル分野における協力覚書(MoC)に署名しました。本覚書はデジタル庁と英国内閣府・政府デジタルサービスが、デジタル分野での協力関係を構築することを目的とし、ユーザー中心のデザイン及びデザインシステム、デジタル調達改革等の分野で協力を行うとしています。
https://www.digital.go.jp/news/db40ee4f-4c34-4b70-96f4-4bf990a3c0c4/
■デジタル庁、Web3.0研究会(第5回)開催
デジタル庁は、11/2(水)にWeb3.0研究会(第5回)を開催しました。本会では、構成員がDAOのユーザー体験を通じて課題や可能性を認識し研究会の議論をより深度あるものとするために、Web3.0研究会DAOを立ち上げること等が討議されました。
https://www.digital.go.jp/councils/43542a45-1ee6-4309-95f0-0893eb52d501/
■デジタル庁、標準仕様の指定都市における課題等検討会(第1回)開催
デジタル庁は、11/8(火)に標準仕様の指定都市における課題等検討会(第1回)を開催しました。本会は、標準仕様の指定都市における課題等を2022年度内を目途に点検することが目的です。本会において実務者レベルの点検を集中的に進めるとともに、デジタル庁・関係府省庁・指定都市・事業者におけるハイレベルな調整を行い、指定都市が利用可能な標準準拠システムの導入を目指すとしています。
https://www.digital.go.jp/councils/e109bafd-f701-4a9d-b311-2236dc724f10/
■総務省、「第7回地方公共団体における統計データ利活用表彰」の受賞団体及び「統計データ分析コンペティション2022」の受賞者決定
総務省は、10/18(火)に「第7回地方公共団体における統計データ利活用表彰」の受賞団体及び「統計データ分析コンペティション2022」の受賞者を決定しました。前者の総務大臣賞は「データ分析をDIY ~神戸データラウンジ~」(兵庫県神戸市)、後者の大学生・一般の部における総務大臣賞は「パンデミックは人流をどう変えたか―地域の特性別に―」(大古 一聡氏、西川 直輝氏)です。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei09_01000074.html
■総務省、「クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン」及び「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示指針(ASP・SaaS編)第3版」 公表
総務省は、10/31(月)に「クラウドサービス利用・提供における適切な設定のためのガイドライン」及び「ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示指針(ASP・SaaS編)第3版」 を公表しました。本書は、総務省でクラウドサービスの利用・提供における適切な設定の促進を図り、安全安心なクラウドサービスの利活用を推進するための対策について検討を行った結果を示したものです。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00149.html
■総務省、ICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会(第1回)開催
総務省は11/4(金)に、ICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会(第1回)を開催しました。本会は、市民が自分たちの意思で自律的にデジタル社会と関わっていく考え方である「デジタル・シティズンシップ」も踏まえつつ、これからのデジタル社会に求められるリテラシー向上推進方策を検討することを目的としています。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_literacy/index.html
■外務省、旅券法令改正及び旅券(パスポート)の電子申請に係る概要を公表
外務省は、10/27(木)に旅券法令改正及び旅券(パスポート)の電子申請に係る概要を公表しました。この中では、改正旅券法令が令和5年3月27日に施行され、旅券の発給申請手続が一部オンライン化されることが明記されています。具体的には、パスポートを切替申請する場合電子申請が可能となり、申請時の旅券事務所ないし在外公館への出頭が不要となります。国内ではマイナポータルを通じて、また国外では在留届オンラインへの登録を前提とした在留邦人用旅券申請スマホアプリを通じて電子申請が可能となります。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/pss/page22_003958.html
■国土交通省、「令和4年度インフラDX大賞」募集開始
国土交通省は、10/21(金)に「令和4年度インフラDX大賞」の募集を開始しました。これは、これまで建設現場の生産性向上を目指し進めてきた「i-Construction」の取組みを中核にさらに発展させ、データとデジタル技術を活用して社会資本や公共サービスを変革する「インフラ分野のDX」推進のための一環として実施するものです。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000912.html
【自治体】
■広島県、IoTスマートごみ箱「SmaGO」設置
広島県は、10/25(火)にIoTスマートごみ箱「SmaGO」を県内4ヵ所に設置しました。SmaGOの特徴は、最新の通信機能を活用してごみの蓄積状況をリアルタイ ムで把握する等ごみの収集作業の効率化と最適化が図られること等です。本取組みは、海洋プラスチックごみの削減にあたって、屋外での回収拠点の多様化を進めることを目的としています。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/chijibulog/041025.html
■福島市、市職員が作った「議会答弁検討システム」を民間企業との連携により商品化
福島県福島市は、市職員が作った「議会答弁検討システム」を民間企業との連携により商品化することを10/20(木)に公表しました。同市は、市議会の質問集約、答弁作成、内容検討を一元的にデータベース化した「議会答弁検討システム」を職員が作り、業務効率化とペーパーレス化を実現しています。このシステムをベースとしたWEBシステムを株式会社エフコムが開発し、商品として株式会社ぎょうせいが全国の自治体に向けて売り出すことになりました。発売予定日は2023/4/1(土)としています。
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/kohoka-koho/shise/koho/happyo/r04/documents/20221020-2.pdf
■美里町、ガバメントクラウド先行事業において全国初の基幹業務システムが稼働開始
埼玉県美里町は、10/31(月)にガバメントクラウド先行事業において全国初の基幹業務システムを稼働開始しました。使用しているのは株式会社TKCのシステムで、本年12月に埼玉県川島町においても稼働開始が予定されています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000273.000018852.html
■さいたま市教育委員会、4社と「さいたま市スマートスクールプロジェクト」に関する事業連携協定を締結
埼玉県・さいたま市教育委員会は10/31(月)に、株式会社ベネッセコーポレーション、ライフイズテック株式会社、日本マイクロソフト株式会社、株式会社内田洋行とそれぞれ「さいたま市スマートスクールプロジェクト」に関する事業連携協定を締結しました。本プロジェクトは、GIGAスクール構想後の児童・生徒・教職員が「一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、新たな価値を創造していく力をはぐくむ教育の実現」を掲げたものです。
https://www.uchida.co.jp/company/news/press/221031.html
■渋谷区、高齢者デジタルデバイド解消に向けた実証事業の中間レポートを公開
東京都渋谷区は、区が実施する「高齢者デジタルデバイド解消事業」の中間時点の進捗状況をとりまとめ、10/20(木)に公開しました。講習会参加者に対するアンケート結果によると、講習会の参加回を重ねるにつれて「難しい」と感じる参加者割合は減少していることが分かりました。また、貸与後10か月時点で、約84%がスマートフォンを使う習慣ができており、習慣化された人のうち84.4%(全体の71%)がスマートフォンを毎日操作することが分かりました。
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/koho/hodo/20221020.html
■横浜市、「YOKOHAMA Hack!」第2回目を募集
神奈川県横浜市は10/13(木)に、行政の業務やサービスにおける課題・改善要望と、それを解決する民間企業等の皆様が有するデジタル技術提案をマッチングするオープンなプラットフォーム「YOKOHAMA Hack!」の第2回テーマを発表し、課題解決の方向性を示す提案や、課題の本質を明らかにする議論に参加する民間企業等の募集を開始しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000099300.html
■湖西市、水道スマートメーターによる時間帯別料金制度の検討に係る実証実験を開始
静岡県湖西市は、全国初となる水道スマートメーターを活用した時間帯別料金制度の検討に係る実証実験を10/16(日)より開始しました。本実験は、需要特性に応じた新たな料金負担の検討を目的としており、時間帯別による使用水量の把握及び算出、時間帯別料金単価による使用水量の変化や影響(インセンティブ効果)の把握等を主な内容としています。
https://www.city.kosai.shizuoka.jp/soshikiichiran/suidoka/1_1/oshirasetopics/12106.html
■東大阪市、「AIによる住民相談支援の実証」開始
大阪府東大阪市は、11/4(金)に「AI 相談パートナー」(株式会社アイネス)を活用し、相談業務における情報共有の効果や職員の業務効率を検証する実証実験を開始しました。同サービスは、音声認識やデータ分析などの AIを用いて、子ども家庭相談や生活困窮者相談、納税相談等、あらゆる住民相談業務に対応する自治体職員を支援するものです。東大阪市では、まずは児童虐待相談・子ども家庭相談と消防局における119番通報への対応についての検証を実施するとしています。
https://www.ines.co.jp/news/20221104_1.html
■川西市、「空き家調査アプリ開発」で国土交通大臣表彰を受賞
兵庫県川西市は、スマートフォンを使って空き家を調査できる「空き家調査アプリ(空き家しらべーたー)」を開発した功績が評価され、10/31(月)に国土交通大臣表彰を受賞しました。本アプリは、空き家を調査した現場から市のデータベースへ直接空き家の情報を送信できるものです。今回、空き家の先進的な調査方法の整備や流通・活用を促す取組み等の点で特に優れた実績をあげ、住宅・建築行政の推進に顕著な功績があったことが評価されました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000098199.html
■北九州市、「PoliPoli Gov(β版)」を活用し意見募集開始
福岡県北九州市は、10/12(水)に「PoliPoli Gov(β版)」をトライアル導入し、「まちづくり」等5分野のテーマについてオンライン上での意見募集を開始しました。同市は、市民や民間事業者など地域の方と同じ視点でアイデアや困りごとなどを共有し、共創による政策形成に繋げることを導入の目的としています。なお、市区町村で「PoliPoli Gov(β版)」を導入するのは全国初ということです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000032735.html
【海外】
■欧州委員会、「デジタル市場法」発効
欧州委員会は、11/1(火)にデジタル市場法を発効しました。本法は、EUデジタル市場の公平性や開放性を損なう行為を規制することで、EU内の企業にイノベーションを促し、市場全体の競争力強化を目指すためのものです。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/digital-markets-act-rules-digital-gatekeepers-ensure-open-markets-enter-force
■オランダ、「サイバーセキュリティ戦略2022-2028」公表
オランダは、10/10(月)に「サイバーセキュリティ戦略2022-2028」とこれを基にした活動計画を公表しました。本戦略では、同国をデジタルセキュアにするためのビジョンと、それを実現するための「安全で革新的なデジタル製品・サービスを提供すること」等4つの目標、また政府・企業・市民の果たすべき役割等が明記されています。
https://www.rijksoverheid.nl/actueel/nieuws/2022/10/10/kabinet-presenteert-nieuwe-cybersecuritystrategie
■ドイツBSI、報告書「ITセキュリティの現況(2022年版)」公表
ドイツBSI(連邦情報セキュリティ局)は、10/25(火)に報告書「ITセキュリティの現況(2022年版)」を公表しました。本書は、同国のITセキュリティの現況やサイバー空間における脅威の概要を毎年報告しているものです。本年は、ロシアのウクライナ侵攻を背景としたサイバー攻撃が深刻化したことから、サイバー空間における脅威がかつてないほど高まっていることが報告されています。
https://www.bsi.bund.de/DE/Service-Navi/Publikationen/Lagebericht/lagebericht_node.html
■米国、大統領令「米国のシグナルインテリジェンス活動のための保護措置の強化」に署名
米国のバイデン大統領は、10/7(金)に大統領令「米国のシグナルインテリジェンス活動のための保護措置の強化」に署名しました。これは本年3月に欧州委員会との間で基本合意した大西洋間データ・プライバシー・フレームワークの導入にあたって、米国が取るべき措置を示したものです。
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2022/10/07/fact-sheet-president-biden-signs-executive-order-to-implement-the-european-union-u-s-data-privacy-framework/
■シンガポール軍、DISを設立
シンガポール軍は10/28(金)に、これまでの陸海空軍に加えDIS(デジタル・インテリジェンス・サービス)を設立しました。本組織は、デジタル領域における安全保障上の脅威から同国を守ることを使命としています。
https://www.mindef.gov.sg/web/portal/mindef/news-and-events/latest-releases/article-detail/2022/October/28oct22_nr2
■中国国務院弁公庁、「全国統一行政ビッグデータシステム構築ガイドライン」公表
中国の国務院弁公庁は、10/28(金)に「全国統一行政ビッグデータシステム構築ガイドライン」を公表しました。本書では、2023年までに行政データを運用する全国統一のシステムを初期構築し、2025年までに完全に構築すること等が目標として掲げられています。
http://www.gov.cn/zhengce/content/2022-10/28/content_5722322.htm
■OECD、報告書「越境データの流れ-主要政策とイニシアチブの把握-」公開
OECDは、10/12(水)に報告書「越境データの流れ-主要政策とイニシアチブの把握-」を公開しました。本書は、データの越境を促進するための信頼強化が必要であることを受け、G7諸国の越境データに係る主要政策や取組、イニシアチブを概観するものです。
https://www.oecd-ilibrary.org/science-and-technology/cross-border-data-flows_5031dd97-en
■IMF、ホワイトペーパー「デジタル化とレジリエンス」公開
IMFは、10/28(金)にホワイトペーパー「デジタル化とレジリエンス」を公開しました。本書は、75カ国・24,000社のBSシートを基に、経済のレジリエンスを向上させる上でデジタル化が果たす役割を調査したものです。この中では、デジタル化が進んだ企業は、コロナ禍に入った後の収益損失が少ない傾向にあること等が示されています。
https://www.imf.org/en/Publications/WP/Issues/2022/10/28/Digitalization-and-Resilience-525207
(編集) 行政情報システム研究所 研究員 小池千尋