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2023.02.13

公共分野デジタル化動向(2023.2.13)

1.公共分野デジタル化動向
[政 府] 法務省、全国の登記所備付地図の電子データ無償公開 ほか
[自治体] 福井県、「福井県職員デジタル人材育成方針」策定 ほか
[海 外] 欧州委員会、「デジタル行政ファクトシート2022」公開 ほか

公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。

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1.公共分野デジタル化動向

 

【政府】

■デジタル庁、マイナンバーカードの普及・利用の推進に関する関係省庁連絡会議(第3回)開催
デジタル庁は、マイナンバーカードの普及・利用の推進に関する関係省庁連絡会議(第3回)を1/26(木)に開催しました。本会では、全業所管官庁を通じた計画的な取組等について関係省庁から業界での取得促進に関する取組状況の報告がされると共に、マイナンバーカードの申請サポート等について討議されました。
https://www.digital.go.jp/councils/mynumbercard-promotion/

 

■デジタル庁、「自治体標準オープンデータセット(試験公開版)」公開
デジタル庁は、「自治体標準オープンデータセット(試験公開版)」、および「推奨データセット」から「自治体標準オープンデータセット」へ変換するコンバーターの試験公開版を1/24(火)に公開しました。正式版は2023年3月に公開予定としています。
https://www.digital.go.jp/resources/open_data/municipal-standard-data-set-test/

 

■デジタル庁、レジストリカタログのリニューアル版を正式リリース
デジタル庁は、べース・レジストリのデータ公開サイトとして運営しているレジストリカタログのリニューアル版を1/27(金)に正式リリースしました。リニューアル後のサイトにおいて現時点で公開するデータは、ベース・レジストリとして指定されたデータのうち、法人番号、法律・法令、事業者向け支援制度等5種類としています。
https://www.digital.go.jp/news/4ed11a8e-2461-4cae-8a31-d55c49060eb0/

 

■デジタル庁、自治体窓口DXSaaSに関する調達仕様書および要件定義書(第0.5版)公開
デジタル庁は、自治体窓口DXSaaSに関する調達仕様書および要件定義書(第0.5版)を2/8(水)に公開しました。また自治体窓口DXSaaSの仕様検討を、Slack上に設けた「デジタル改革共創プラットフォーム」上で実施することを明らかにしました。今後、地方自治体職員からの意見を踏まえながら検討を進めていく見通しです。
https://www.digital.go.jp/policies/cs-dx/dxsaas/

 

■総務省、「自治体DX推進手順書」等を改定
総務省は、「地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会」での議論を踏まえ、「自治体DX推進手順書」等の改定を1/20(金)に公表しました。改定は「地方公共団体情報システム標準化基本方針」等の策定や、デジタル人材の確保・育成に関する自治体の取組状況を踏まえたものです。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei07_02000145.html

 

■総務省、「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」中間とりまとめの公表
総務省は「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」中間とりまとめを2/10(金)に公表し、併せて、示された論点に関する意見募集を2/24(金)まで行います。本とりまとめでは、同研究会の視点に基づき「メタバースのアバターの在り方等、利用者利便の向上に繋げるための課題」「ユースケース毎のビジネス化に向けた課題の整理」「メタバース等の利活用拡大が与える影響」の論点を整理しています。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000115.html

 

■法務省、全国の登記所備付地図の電子データ無償公開
法務省は、全国の登記所備付地図の電子データについて、G空間情報センターを通じた無償の一般公開を1/23(月)に開始しました。これにより、生活関連・公共サービス関連情報との連携や、都市計画・まちづくり、災害対応などの様々な分野で、地図データがオープンデータとして広く利用され、新たな経済効果や社会生活への好影響をもたらすことが期待されるということです。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00494.html

 

■国税庁、「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」公開
国税庁は、「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を1/13(金)に公開しました。本書は、NFTを取引した場合における所得税、法人税、源泉所得税等の取り扱いを質疑応答形式で示したものです。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/0022012-080.pdf

 

■厚生労働省、EBPM分析レポート「同一労働同一賃金の効果検証」公表
厚生労働省(EBPMの推進に係る若手・中堅プロジェクトチーム)は、EBPM分析レポート「同一労働同一賃金の効果検証」を1/16(月)に公表しました。本レポートは、いわゆる同一労働同一賃金に関する規定が令和2年4月から大企業のみに適用されたことを踏まえ、差の差(Difference-in-Difference)分析やロジスティック回帰分析の考え方を用いて、賃金等に関する分析を行ったものです。結果として、同一労働同一賃金に関する規定が適用された大企業において、不合理な待遇差の解消に向けた取組がなされていることが示されたということです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/jyouhouseisaku/toukei-data_madoguchi_00007.html

 

■経済産業省、これからのデザイン政策を考える研究会(第2回)開催
経済産業省は、「これからのデザイン政策を考える研究会」(第2回)を2/13(月)に開催しました。本会は、企業や地域の活性化、社会課題の解決、新たな文化創造に資するデザインの活用をさらに拡大することを目的としています。
https://www.meti.go.jp/press/2022/01/20230118002/20230118002.html

 

 

 

【自治体】

■東京都、セブンカフェマシンの断水状況データを活用した断水情報収集の実証実験を開始
東京都は、セブン‐イレブン・ジャパンと協働し、セブンカフェマシンの断水状況データについて断水情報収集への活用可能性を探る実証を2/1(水)から開始しました。本実証では、店舗に設置されたセブンカフェマシンの給水タンクの空き状況からセブン‐イレブンの店舗やエリアにおける断水情報を検知し、仮想データ連携基盤のTDPF(東京データプラットフォーム)を通じて、23区内における断水データ(発生店舗、日時)を都に提供します。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004077.000052467.html

 

■埼玉県、DX推進に向けたメタバース活用の実証実験実施
埼玉県は、浦和駅から埼玉県庁までの通りをメタバース空間上に表現し、行政サービスに係る情報発信等に関する実証を2/6(月)~2/17(金)で実施しています。本実証は、リアル環境をメタバース化することでより効果的な行政サービスを提供することを目的としており、技術的・運用的な導入難易度や効果・課題等を抽出・検証するということです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000050210.html

 

■福井県、「福井県職員デジタル人材育成方針」策定
福井県は、「福井県職員デジタル人材育成方針」を策定し、2/1(水)に公表しました。これは、DX推進人材の定義、育成プログラム、評価体制を取りまとめたものです。人材定義ではDXを推進するために必要な役割(要件・スキル等)を職員の役職ごとに4区分で整理する他、評価体制としては部局別・所属別の研修受講状況を、ダッシュボード形式により可視化することとしています。
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/dx-suishin/top.html

 

■静岡県、ふじのくにオープンデータラウンドテーブル(第1回)開催
静岡県は、ふじのくにオープンデータラウンドテーブル(第1回)を1/26(木)に開催しました。本ラウンドテーブルは、企業や団体などデータを活用したい側・データを保有する行政側が有識者を交えて対話を行い、公開するデータの内容や公開できないデータについて話し合う場です。企業・団体等が必要とするデータを県が把握し、より県民ニーズに合ったデータの公開と利活用を促進することを目的としています。
https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/introduction/bukyokucho/1044033/1045971/1049860.html

 

■鳥取県、自治体初の「メタバース課」立ち上げを発表
鳥取県は、これからのWeb3.0時代を見据えた「メタバース関係人口」創出に向けて取り組んでいくにあたり、県庁内に架空の部署「メタバース課」を立ち上げ、日本初となる自治体オリジナルAIアバター「YAKAMIHIME」を職員第一号として採用することを2/2(木)に発表しました。これによりメタバース空間内での鳥取県の知名度を高め、様々な課題解決へつなげていきたいということです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000078201.html

 

■佐賀県、AI自動運転モビリティの運行サービス開始
佐賀県は、吉野ヶ里歴史公園でのAI自動運転モビリティ運行サービスを1/25(水)に開始しました。本実証に活用するモビリティはシステム内に電子地図を整備しており、GPSで自己位置を把握した上で電子地図内に設置した目的地まで走行するシステムを搭載しています。サービス中ではスタッフがAIモビリティに伴走して搭乗のサポートや走行の見守り等を行いますが、運行の状況をみながら、日曜日の運行やコースの拡大や伴走スタッフなしでの運行に移行して行く予定ということです。
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00389856/index.html

 

■秩父市、中津川地内でドローンによる物資の定期配送を開始
秩父市は、中津川地内でドローンによる物資の定期配送を1/26(木)に開始しました。本取組みは、2022年9月に土砂崩落が発生し物流が寸断された秩父市中津川地内の地域住民への、冬季期間の生活支援を目的としています。当該地域の地形特性上、モバイル通信が不安定な環境であるため、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を活用してauのモバイル通信環境を確保し、ドローンの遠隔自律飛行による物資の配送を実施するということです。
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2023/01/26/6516.html

 

■白馬村、Web3.0を活用した実証実験「Non-Fungible HAKUBA」を開始
長野県白馬村は、Web3.0を活用した実証実験の開始を1/20(金)に発表しました。本実験では、今シーズンの冬の白馬村の写真を募集し、その写真に紐づく撮影情報をブロックチェーンに記録し特設サイトで公開します。さらに写真投稿者へは証明書としてNFTを発行することとしています。本プロジェクトは、気候危機の影響で深刻な雪不足に直面してきた白馬村の美しい自然を改ざん不可能(Non-fungible)な記録として残す意味が込められているということです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000060409.html

 

■羽咋市、スマートシティデータ連携基盤の運用開始
石川県羽咋市は、スマートシティデータ連携基盤の運用開始を1/27(金)に発表しました。本連携基盤により、市や県、国が保有するデータを集約し、市民生活に密着した情報をダッシュボード上で可視化することで、災害時の状況把握や職員間の迅速な情報共有が可能になります。今後は、児童の登下校見守り事業で取得した通学路のポイントごとの通行量や市内道路の危険個所把握データ等を、2023年度中にデータ連携基盤に連携する予定ということです。
https://www.intec.co.jp/news/2023/0127_1.html

 

■多気町・大台町・明和町・度会町・紀北町、連携して5町でひとつの仮想自治体「美村(びそん)」開始
三重県多気町・大台町・明和町・度会町・紀北町は、連携して5町でひとつの仮想自治体「美村(びそん)」を開始し、共通のデジタルシステムを活用した魅力的な地域づくりを推進することを1/19(木)に発表しました。これにより5町は行政区域の枠を越えて連携し、デジタル技術を活用した各種社会課題解決の取組を進めていくとしています。第1弾としては、デジタル地域通貨の導入と、住民が主体となって地域の魅力を国内外に発信するポータルサイトの開設などを行うということです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000309.000069194.html

 

■けいはんな学研都市、避難誘導アプリを使った住民参加型の避難訓練の実施を発表
京都府けいはんな学研都市は、避難誘導アプリを使った住民参加型の避難訓練を2/25(土)に実施します。目的は、災害発生時に起こりうるリスクを認識し、それに応じた適切な避難先と避難経路を想定することで、安全に避難行動を実施できるようにすることです。訓練に使用するアプリは、早く確実に住民が安全な場所へ避難することを目的として開発されたもので、災害データ等をもとに災害発生時の被害をシミュレーションし、住民への適切な避難ルートなどを案内することが可能であるとしています。
https://www.pref.kyoto.jp/bunkaga/news/smartkeihanna_release_20230123.html

 

■京丹後市・泉佐野市・小牧市・有田市・佐伯市、Peachと「機内ふるさと納税」の実証実験を開始
京都府京丹後市・大阪府泉佐野市・愛知県小牧市・和歌山県有田市・大分県佐伯市は、Peachと日本初となる「機内ふるさと納税」の実証実験を1/27(金)に開始しました。本実験では、Peachの機内デジタルサービスを通じて乗客の端末から各自治体におけるふるさと納税の返礼品を選択し、実際に寄附ができるサービスを活用して検証します。実施目的は、各地域の共通課題である「観光地としての知名度」 を向上すること、またふるさと納税を通じて交流人口、関係人口を創出することとしています。
https://corporate.flypeach.com/cms/wp-content/uploads/2023/01/20230127-Press-Release-J.pdf

 

 

 

【海外】

■欧州委員会、デジタルサービス法におけるユーザ数の公表義務に関するガイダンスを公開
欧州委員会は、デジタルサービス法(DSA・2022/11施行)におけるユーザ数の公表義務に関するガイダンスを2/1(水)に公開しました。本書は、DSAにおいてユーザ数の公開が義務付けられている超大型オンラインプラットフォーム(VLOPs)或いは超大型オンライン検索エンジン(VLOSEs)に該当するかの判断を支援するものです。該当する場合、その企業はリスク評価及びリスク軽減策の策定が追加義務として課せられます。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/dsa-guidance-requirement-publish-user-numbers

 

■欧州委員会、「デジタル行政ファクトシート2022」公開
欧州委員会は、「デジタル行政ファクトシート」の2022年版を2/6(月)に公開しました。本書は、EU各国におけるその年のDXに関する進展を紹介するもので、毎年発行されています。例えばウクライナの報告では、デジタル変革省において官民交流促進のためのプラットフォーム「Vzayemodiia」が立ち上げられたこと、またチェコの報告では、全ての行政機関がデジタル掲示板をオープンデータ形式で公開すること等が義務付けられたこと等が明記されています。
https://data.europa.eu/en/news-events/news/digital-public-administration-factsheet-2022-out

 

■英国退役軍人局、退役軍人のデータダッシュボードを公開
英国退役軍人局は、退役軍人のデータダッシュボードを2/3(金)に公開しました。これは、退役軍人コミュニティに関する情報、また政府が提供する退役軍人専用サービスの利用状況に関する最新の統計情報を紹介するインタラクティブなプラットフォームです。
https://www.gov.uk/government/publications/veterans-data-dashboard

 

■英国保健省、医療技術戦略を公表
英国保健省は、同国として初の医療技術戦略を2/3(金)に公表しました。本戦略は、医療・社会保障に関連する政策や制度が医療技術と密接に連携できるようにすることを目的とし、ステークホルダーと共に取り組むべき重点分野を定めたものです。重点分野は「医療技術の継続的な供給」「活発な市場構築の支援」等4つを掲げています。
https://www.gov.uk/government/publications/medical-technology-strategy

 

■米国NIST、AIリスクフレームワークを公開
米国NISTは、AIリスクフレームワーク(AI RMF)を1/26(木)に公開しました。本フレームワークは、AIを開発及び活用する組織がAIから恩恵を受けると同時に、AIが潜在的に有する害から保護されることを目的としています。全体は2つのパートに分かれており、第1部では主に信頼できるAIの特徴を概説しています。中核となる第2部では、組織がAIのリスク対処に必要となる具体的な機能を解説しています。
https://www.nist.gov/news-events/news/2023/01/nist-risk-management-framework-aims-improve-trustworthiness-artificial

 

■ソウル市、「メタバース・ソウル」運用開始
韓国ソウル市は、バーチャル上の行政プラットフォーム「メタバース・ソウル」の運用を1/16(月)に開始しました。本プラットフォームは、市民、行政、企業等の様々なユーザがあらゆる分野において自由にコミュニケーション出来る場を目指したものです。この中では行政サービスを受けられる他、ソウルの多くの観光スポットを訪問すること等も出来るということです。
https://digital.seoul.go.kr/eng2025/smart-seoul/metaverse-seoul

 

■IEEE、AI倫理とガバナンスに関連するIEEE標準の一部を無償提供開始
IEEE GETプログラムでは、AI倫理とガバナンスに関連するIEEE標準の一部無償提供を1/18(水)に開始しました。目的は、より信頼性の高いAIの構築に貢献すると共にAI倫理とガバナンスに関する取組を支援すること、また人間中心設計及びAIガバナンス・標準化に関する理解を深めることとしています。公開している規格は「自律システムの透明性のためのIEEE標準規格」等です。
https://ieeexplore.ieee.org/browse/standards/get-program/page/series?id=93

 

■OECD、報告書「AIと労働市場のマッチング」公表
OECDは、報告書「AIと労働市場のマッチング」を1/30(月)に公表しました。本書は、人材雇用におけるAIの活用(求人票の作成、履歴書・面接時の顔や声の分析等)が拡大しつつある現況を受け、今後さらに普及を進めるにあたって検討すべき課題及び最近の政策展開についてレビューしたものです。
https://www.oecd-ilibrary.org/employment/artificial-intelligence-and-labour-market-matching_2b440821-en

 

 

 

(編集) 行政情報システム研究所 研究員 小池千尋