公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。
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1.公共分野デジタル化動向
【政府】
■「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案」閣議決定
政府は「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案」を3/7(火)に閣議決定しました。改正のポイントは、将来にわたってデジタル技術の進展等を踏まえた規制の見直しが自律的かつ継続的に行われることを担保するため、見直しの基本方針や具体的な施策について定めること等です。
https://www.digital.go.jp/news/5be6e550-6902-4d0e-bc88-a1066e590f99/
■「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案」閣議決定
政府は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案」を3/7(火)に閣議決定しました。本法案は、デジタル社会の基盤であるマイナンバー、マイナンバーカードについて国民の利便性向上等の観点から、マイナンバー法等の一部の改正を行うものです。
https://www.digital.go.jp/news/86c0ea7c-6157-4a65-a9b6-4736f0beffe1/
■NISC、「インターネットの安全・安心ハンドブック」改訂
NISCは、国民が更に安全・安心にインターネットを利活用することを目的に制作した「インターネットの安全・安心ハンドブック」を1/31(火)に改訂しました。本改訂は、サイバー空間の最新動向や今特に気を付けるべきポイント等を踏まえたもので、これまで対象読者別(一般国民向向け・中小組織向け)で分冊していた前版を1つに合冊しています。
https://security-portal.nisc.go.jp/guidance/handbook.html
■デジタル庁、地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会(第1回)開催
デジタル庁は、地方公共団体情報システムにおける文字要件の運用に関する検討会(第1回)を2/20(月)に開催しました。本会の目的は、「地方公共団体情報システム標準化基本方針」を踏まえ、地方公共団体の標準準拠システムにおける文字環境について、全体としてより効率的なシステム構築や運用を行うため、関係者が協力して具体的な検討を行うことです。
https://www.digital.go.jp/councils/local-governments-character-specification/877f2345-40bb-4658-b8fd-8a27a1fb6ed7/
■デジタル庁、デジタル臨時行政調査会作業部会(第18回)開催
デジタル庁は、デジタル臨時行政調査会作業部会(第18回)を2/22(水)に開催しました。本会では、「テクノロジーベースの規制改革」の当面の進め方、「処分通知等のデジタル化に係る基本的な考え方(案)」の検討状況等について討議されました。
https://www.digital.go.jp/councils/administrative-research-wg/849b8994-72c9-4f42-8e28-d5d3d8c9144e/
■デジタル庁、VRSチームが令和4年度人事院総裁賞(職域部門)を受賞
デジタル庁のVRSチームは、2/27(月)に令和4年度人事院総裁賞(職域部門)を受賞しました。授賞理由は、VRSチームが「ワクチン接種記録システム(VRS)」を開発・運用し、円滑なワクチン接種に大きく貢献するとともに、「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」によって誰でも簡単に証明書の電子申請等が可能となるなど、行政サービスの利便性向上に大きく貢献したことです。
https://www.digital.go.jp/news/b217fa67-c01d-4d26-86c4-9b05b5af7fb3/
■デジタル庁、データ戦略推進ワーキンググループ(第6回)開催
デジタル庁は、データ戦略推進ワーキンググループ(第6回)を2/28(火)に開催しました。本会では、ベース・レジストリ、オープンデータの拡充と体制、DFFTの具体化に向けた取組、包括的データ戦略の整理等について討議されました。
https://www.digital.go.jp/councils/data-strategy-wg/62ec4ac2-783b-4461-8559-df2c5b3e5592/
■デジタル庁、地方公共団体におけるアナログ規制の見直しに係る課題調査に協力可能な自治体を公募
デジタル庁は、地方公共団体におけるアナログ規制の見直しに係る課題調査に協力可能な自治体を3/17(金)まで公募します。これは昨年決定された「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」や「地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアル【第 1.0版】」を参考とし、アナログ規制の見直し案を検討するとともに、見直しによって導入可能となる技術の検討等について整理するものです。
https://www.digital.go.jp/policies/digital-extraordinary-administrative-research-committee/d4e8cc39-c6cf-44a2-9218-50158b1129f5/
■総務省、ICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会(第5回)開催
総務省、ICT活用のためのリテラシー向上に関する検討会(第5回)を3/3(金)に開催しました。本会では、プラットフォーム事業者等による利用者のリテラシー向上に関する取組、Apple Japan, Inc.の利用者のリテラシー向上に関する取組等について討議されました。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_literacy/02ryutsu02_04000395.html
■総務省、地域DXの計画策定をコンサルティング支援する対象団体の一次公募を開始
総務省は、地域におけるデジタル技術を活用した課題解決の取組を促進するため、「地域デジタル基盤活用推進事業」の一環として地方公共団体などによる地域DXの計画策定をコンサルティング支援することを発表するとともに、その支援対象となる団体の一次公募を3/24(金)まで募集しています。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000341.html
■国土交通省、次世代ITS検討会(第1回)開催
国土交通省は、次世代ITS検討会(第1回)を3/8(水)に開催しました。本会の目的は、次世代のITS(高度道路交通システム)について、革新的技術の活用、社会経済全体からのアプローチにより、交通課題の解決を超え、世界に裨益する新たな価値を創造するための施策・サービスを、道路行政視点、民間視点の双方から産学官の議論を通じて具体化し、その実現に必要となるシステムが具備すべき機能を整理し、コンセプトとしてとりまとめることです。
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/jisedai_its/index.html
■国土交通省、「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」を公募
国土交通省は、「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」を4/28(金)まで公募します。目的は、過疎地域等における課題を解決するため、レベル4飛行に対応したドローン物流やドローンの離発着前後の配送を担う自動配送ロボット等と連携した物流等を社会実装する際に必要となる事項を検証することです。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000659.html
■経済産業省、G7デジタル・技術大臣会合公式官民イベント「DXサミット」の開催を発表
経済産業省は、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合に向けたG7デジタル・技術大臣会合公式官民イベント「DXサミット」を4/28(金)に開催します。本サミットは、DXとサイバーフィジカルシステム(CPS)を前提とした社会変革に向けて、「DXを進めていく上でのガバナンスに係る諸課題とそれら課題への対応」などをテーマに、マルチステークホルダーの視点から議論を行うものです。
https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230220001/20230216001.html
【自治体】
■東京都、都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022「Demo Day」の開催を発表
東京都は、都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022「Demo Day」を3/25(土)に開催します。本イベントは、昨年10月に実施したFinal Stageに出場し、オープンデータを活用した都民生活に役立つサービスのリリースに向けて開発を進めてきた10チームによる成果発表会です。イベントの中では、各チームの作品紹介及び意見交換を行うとともに、オープンデータを公開した区市町村・各局のインタビュー動画放映等も実施します。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/02/27/01.html
■三重県、Slackの全庁導入を発表
三重県は、本年5月からのSlackの全庁導入を3/7(火)に発表しました。三重県では2021/8にSlackを試行導入した所、職員がテレワーク等の環境下にあっても、コミュニケーションの維持・活性化に非常に高い効果を得たことが評価され、今回の導入につながりました。今後はSlackをコミュニケーション基盤の中心的なツールに位置づけ、組織内外のコミュニケーションの活性化をはかり、業務効率化と生産性のさらなる向上を目指すとしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000029764.html
■札幌市、日本マイクロソフト株式会社とDX推進に向けた包括連携協定を締結
北海道札幌市は、日本マイクロソフト株式会社とDX推進に向けた包括連携協定を2/27(月)に締結しました。本協定は、住民目線で実現するDX推進やデータ駆動型スマートシティの実現、デジタル人材の育成、地域のDX推進といった4つの事項を定めています。
https://www.city.sapporo.jp/city/mayor/motion/2023/0224.html
■東海村、BPRに関する株式会社日立システムズとの共同研究の結果を発表
茨城県東海村と株式会社日立システムズは、BPRに関する共同研究の結果を2/24(金)に発表しました。本研究では、全庁の業務の可視化やBPRによる業務量削減効果を測る検証とその実践を通じてBPR手法の構築に取組みました。結果として、2022年度の業務量削減の目標値(4,195時間)に近い3,968.7時間を削減できる見込みとなりました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000042324.html
■富士見市、教育データの利活用に関する共同実証を実施
埼玉県富士見市は、NTT東日本株式会社とともに、教育データの利活用に関する共同実証を3/31(金)まで実施します。本実証では、同市教育委員会が保有する教育データを活用し、児童生徒の体力との因果関係等について、データの可視化及び分析を通じ教職員が指導法の工夫改善に活かすことができるかを実証するということです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000532.000098811.html
■横須賀市、マイナンバーカードを活用した災害時のオフライン決済に関する実証実験の開始を発表
神奈川県横須賀市、株式会社JCB、トッパン・フォームズ株式会社の3者は、全国で初めてマイナンバーカードを活用し、災害時を想定したオフライン環境における決済システムの実証実験を3/14(火)に開始します。本実証では、普及期にあるマイナンバーカードを活用して、災害時のオフライン環境でも利便性が高く、安全安心にキャッシュレス決済を行うことのできる決済システムの構築を実現することとしています。
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/0835/nagekomi/20230222_mnc_cl.html
■豊中市、EBPMに基づく産業政策の効果検証の結果を発表
大阪府豊中市は、NECソリューションイノベータ株式会社と実施した、EBPMに基づいた産業政策の効果を検証する実証実験の結果を3/1(水)に発表しました。本実証では、豊中市が保有する市政データを用いて、産業誘導区域に対する奨励金制度の拡充や補助金の創設を行う企業立地制度に基づく施策の効果検証を行いました。結果、2億円の固定資産税増収効果を確認しました。
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/press/20230301/index.html
■神戸市、「神戸データラボ」公開
兵庫県神戸市は、ダッシュボード「神戸データラボ」を2/24(金)に公開しました。本ダッシュボードは、オープンデータを活用した分かりやすい情報発信の一環として、総務省統計局が公表している令和2年国勢調査の情報をもとに、人口・世帯分布や通勤・通学など、国内のさまざまな状況を誰でも閲覧・利用できるものです。
https://www.city.kobe.lg.jp/a47946/data.html
■神戸市、地域を越えて神戸と“つながる”コミュニティを創出するNFTの実証プロジェクトを開始
兵庫県神戸市は、神戸をモチーフにしたNFT作品を制作するとともに、作品取得者などがチャットツールDiscord上で集い交流するコミュニティを創出する実証プロジェクトを2/16(木)に開始しました。これは、NFTをきっかけに東京圏のZ世代とつながり関係人口のつながり構築を目指すことを目的としており、自治体としては日本初の取組です。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000113797.html
【海外】
■欧州議会、データ法を採択
欧州議会は、データ法を2/9(木)に採択しました。本法は、消費者や企業がデータにアクセスする条件を明確にすることで、EUにおけるイノベーションを促進させることを目的としています。本法では、データ共有に関する契約を企業間で締結するにあたっての取り決めを定めるとともに、災害等緊急事態において行政機関が企業の保有データにアクセスできる特約等についても定義しています。
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20230206IPR72113/data-act-meps-back-new-rules-for-fair-access-and-use-of-industrial-data
■欧州委員会、報告書「拡張現実:医療・教育分野における機会と成功事例」公開
欧州委員会は、報告書「拡張現実:医療・教育分野における機会と成功事例」を2/24(金)に公開しました。本報告書は、医療・教育分野におけるXRの活用に関する既存の研究成果を提供するとともに、EUでのXR活用事例等を紹介しています。また、EUにおけるXRアプリケーションの市場調査結果や、今後さらにXR活用を拡大していくにあたって障壁となり得るもの等を明らかにしています。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/extended-reality-opportunities-success-stories-and-challenges-health-and-education
■英国政府、科学技術フレームワークを公表
英国政府の科学・イノベーション・技術省は、科学技術フレームワークを3/6(月)に公表しました。これは2030 年までに英国を科学技術の超大国にするため、「重要テクノロジーの特定」「研究開発への投資」等10個のアプローチを示したものです。2023年夏までに本枠組みの各要素について行動計画を策定することとしています。
https://www.gov.uk/government/publications/uk-science-and-technology-framework/the-uk-science-and-technology-framework
■米国政府、国家サイバーセキュリティ戦略を公表
米国政府は、国家サイバーセキュリティ戦略を3/2(木)に公表しました。本戦略は、米国が安全保障や経済的脅威に適切に対処し、安全なデジタルエコシステムを実現するためのものです。この中では「重要インフラの防衛」「レジリエントな未来への投資」「共通目標達成のための国際パートナーシップの構築」など5つの柱を打ち出しています。
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2023/03/02/fact-sheet-biden-harris-administration-announces-national-cybersecurity-strategy/
■台湾政府、サイバーセキュリティ関連業務を専門に担う行政法人国家資通安全研究院設立
台湾政府は、サイバーセキュリティ関連業務を専門に担う行政法人国家資通安全研究院を2/10(土)に設立しました。設立目的は、台湾におけるサイバーセキュリティに関する技術力の向上、研究開発及び応用を推進することです。初代院長には、政府のサイバーセキュリティ政策策定に長く関与している何全徳氏が就任しました。
https://www.nics.nat.gov.tw/NewInfoDetail?lang=zh&seq=1619&Type=%E6%9C%80%E6%96%B0%E5%85%AC%E5%91%8A
■OECD、報告書「OECD諸国におけるAI人材の供給、需要、特性」公表
OECDは、報告書「OECD諸国におけるAI人材の供給、需要、特性」を2/23(木)に公表しました。本報告書は、年齢や性別、雇用状況等様々な観点から、OECD諸国におけるAI人材の特性を比較調査したものです。
https://www.oecd-ilibrary.org/employment/the-supply-demand-and-characteristics-of-the-ai-workforce-across-oecd-countries_bb17314a-en
■OECD、報告書「国家としてのAIの計算能力向上に向けた青写真」公表
OECDは、報告書「国家としてのAIの計算能力向上に向けた青写真」を2/28(火)に公表しました。本報告書は、国家としてのAIの計算能力に関するデータ及び計算能力向上に向けた目標計画を有している国がこれまでないことから、政策立案者に対し、能力・有効性・レジリエンスという3つの次元に沿って、国家AI計算計画を策定する方法についてガイダンスを提供するものです。
https://www.oecd-ilibrary.org/science-and-technology/a-blueprint-for-building-national-compute-capacity-for-artificial-intelligence_876367e3-en
■OECD、報告書「AIの説明責任~信頼できるAI実現のための、ライフサイクルを通じた管理~」公表
OECDは、報告書「AIの説明責任~信頼できるAI実現のための、ライフサイクルを通じた管理~」を2/23(木)に公表しました。本報告書は、現在公開されているリスク管理フレームワークとAIのライフサイクルについて、信頼できるAIの実現に向けた統合方法を示すことで、AIが有する説明責任及びリスクに関するこれまでの研究を紹介するものです。
https://www.oecd-ilibrary.org/science-and-technology/advancing-accountability-in-ai_2448f04b-en
(編集) 行政情報システム研究所 研究員 小池千尋