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2018.10.10

2018年10月号連載 最新事情から探る電子行政の行方 No.33 国連の電子政府調査2018に見る「お金が無いけど電子政府が進んでいる国」

日本・エストニア/EU デジタルソサエティ推進協議会(JEEADiS)理事
電子政府コンサルタント
牟田 学

2018719日、国連の経済社会省が、193カ国の加盟国を対象とした電子政府の進捗に関する調査報告書「国連電子政府調査2018UN E-Government Survey 2018)」を発表しました。プレスリリースの中で、電子政府は持続可能で回復力のある社会への転換を支援しており、各国は、電子政府を改善しオンライン公共サービスを提供するための努力を続けているとしています。

国連の電子政府調査は、アンケート等により「オンラインサービス(Online Service)」、「電気通信インフラ(Telecommunication infrastructure)」、「人的資本(Human Capital)」の3指数から「電子政府開発指数(EGDIE-Government Development Index)」を算出し、その指数の高低でランキングを付けています。また、これとは別に「電子参加(E-Participation)」と「自治体オンラインサービス(Local Online Service)」という2つの指数も公表しています。

電子政府の変化は早く、調査項目や質問が実情に合っていないものもあり、各指数の正確性や精度については問題がありそうですが、これだけ多くの国を対象として定期的に実施される電子政府調査は他にないので、全体的な傾向を知る上では貴重な資料になります。ランキングについては、トップ20ぐらいまではほとんど差が無いので、順位に一喜一憂する必要はないでしょう。