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2019.04.10

2019年04月号連載企画 行政情報化新時代 No.47 「無縁」とパーソナルデータ活用社会

武蔵大学 社会学部
教授 庄司 昌彦

1.パーソナルデータ活用社会の幕開け

個人に関するデータの取扱いについて、議論が盛んに行われている。特に関心が高いのが「情報銀行」に関する議論である。情報銀行は、個人が健康状態や位置情報、購買履歴、学習履歴をはじめとする自分に関するデータをPDS(パーソナル・データ・ストア)などと呼ばれる集積場所(ネット上のサービス等)に集約し、また必要に応じて情報を外部に開示するなどして、適切な管理と活用をしていくというものである。欧州で施行されたGDPR(一般データ保護規則)や日本の改正個人情報保護法が立脚している「個人に関するデータは自分自身で扱えるべきである」という自己情報コントロール権の考え方に基づいている。情報銀行は、個人情報を財物のように扱い、幅広い個人情報を集約し整理・分析し、活用していこうという取り組みである。総務省との協力の下、IT団体の連合組織である一般社団法人日本IT団体連盟(IT連)によって20193月に認定が行われ、2019年春には本格的に事業がスタートする予定となっている。このことをもって、適切な保護の下でのパーソナルデータ活用社会が本格的に到来するという捉え方をすることもできるだろう。