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2020.02.10

2020年2月号特集 スマートシティの今後の展望―データ利活用型都市マネジメントに必要な視点とは―

株式会社日建設計総合研究所
理事 川除 隆広

1.はじめに

ビッグデータ、IoT、AI…いずれも世界的規模で進展する情報技術の呼称である。都市・建築領域において、これら高度な情報技術の活用が期待されている。次世代の都市生活・まちづくりの高度化は、データをいかに使いこなすかにかかっている。
我が国では、Society5.0の実現に向けたスマートシティ推進の方針として、2019年3月「府省連携したスマートシティ関連事業の推進に関する基本方針」が決定されるとともに、総務省/データ利活用型スマートシティ推進事業、経済産業省/スマートコミュニティ実証事業、国土交通省/スマートシティモデル事業、内閣府/戦略的イノベーション創造プログラム/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術、などが積極的に推進されている。
本稿では、スマートシティの今後の展望として、ICTを活用した良質な都市マネジメントの実現は、飛躍的に成長する情報技術を、いかに都市マネジメントのPDCAサイクルに組み込むかがポイントであるとの視座のもと、データ利活用型都市マネジメントに必要な視点とビッグデータの利活用の方向性を紹介する。