Hot Topics

2020.10.16

公共分野デジタル化動向(2020.10.16)

・デジタル改革関係閣僚会議の第1回会合を開催
・福岡市が市役所での手続きのハンコレス化を完了
・米国18Fが「政府のテクノロジプロジェクトにおけるリスク低減のための実践ガイド」を公表

公共分野のデジタル化に関する興味深い「非公式」情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。 

【政府】

■デジタル改革関係閣僚会議の第1回会合を開催
同会合では、デジタル改革担当大臣よりデジタル化の現状・課題について説明が行われたのちに、意見交換が行われました。議論を踏まえて、菅総理より、デジタル庁創設に関する基本方針を年内に定め、次の通常国会に必要な法案を提出するとともに、IT基本法の抜本改正も行う予定である旨の発言がなされました。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/23digital.html

 

■デジタル・ガバメント閣僚会議第9回会合を開催
同会合では、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ、デジタル改革関連法案ワーキンググループ、並びにデータ戦略タスクフォースについて報告が行われました。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dgov/dai9/gijisidai.html

 

■第88回各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議を開催
同会合では、「政府共通プラットフォーム第二期整備計画」の改定について討議が行われました。設計開発工程の進捗等を踏まえた修正その他の策定当時からの時点更新等が中心の内容となっています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/cio/dai88/siryou.html

 

■IT総合戦略本部第79回会合と官民データ活用推進戦略会議第10回会合を合同で開催
同会合では、デジタル・ガバメント閣僚会議の構成員の変更について報告が行われました。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai79/gijisidai.html

 

■デジタル改革関連法案準備室がデジタル改革アイディアボックスを開設
デジタル社会のかたちやデジタル改革の進め方等について議論を行う仕組みとして、デジタル改革アイデアボックスを11月6日までの予定で開設しました。あわせて、IT基本法等の見直しや新たな組織の在り方などの今後必要と考えられるデジタル改革に関し、政府CIOや副政府CIOに政策的・技術的見地からの支援等を行うIT戦略調整官を10名程度募集します。
https://ideabox.cio.go.jp/

 

■第3回マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループを開催
同会議において、菅総理より、自治体の業務システムの統一・標準化については2025(令和7)年度末を目指し作業を加速するとともに、行政のデジタル化に関する33項目の課題についても、必要なデジタル・トランスフォーメーションを同年度末までに完成するための工程表を策定する旨の発言がありました。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/25kaizen_wg.html

 

■デジタル改革関連法案準備室を設置
準備室長には平井大臣が就任し、来年の通常国会での法案提出に向けた準備が進められることとなります。
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/30kunji.html

 

■規制改革推進会議 デジタルガバメントワーキング・グループ第1回会合を開催
同WGでは行政手続における書面規制・押印、対面規制の抜本的な見直し、個別分野におけるオンライン利用率の引上げ、及び地方公共団体のデジタル化を当面の審議事項とし、個別分野におけるオンライン利用率の大胆な引上げを行う対象手続を定めた上で、基本計画を策定することとしています。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/digital/20201012/agenda.html

 

■国土交通省がスマートアイランド推進実証調査を開始
ICTなどの新技術等を導入し、各離島地域が抱える物流、交通、エネルギー、医療等の課題の解決を図るため、離島を有する地方公共団体と新技術等を有する民間企業・団体等が共同で現地実装に必要な実証調査を10地域で実施します。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kokudoseisaku11_hh_000074.html

 

■国土交通省が「ライティング技術、AR技術等の除雪作業の効率化に寄与する技術」の試験結果等を公表
今回の試験のうち、AR技術に関しては、ARと高精度測位技術を用いた、除雪作業等のガイダンスシステムについての試験が実施されました。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000732.html

 

■総務省が重点施策2021を取りまとめ
重点施策の1つ目の柱として「デジタル変革の加速による『新たな日常』の構築」が掲げられ、その中の項目としては次世代型行政サービスの強力な推進、「新たな日常」を支える情報通信基盤、および社会全体の生活様式の変革を支えるプラットフォームが挙がっています。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kanbo05_02000138.html

 

■総務省と欧州委員会が第10回日EU・ICT戦略ワークショップを開催
同会合では、日EU双方における政策動向や、実際のビジネスの場での課題等を踏まえ、主として5G・Beyond5G(6G)、サイバーセキュリティ、気候変動対応のためのデジタル/スマートシティ、AI、新型コロナへのデジタルアクション、プラットフォーム、データ、トラストサービスといった課題に関して対話を行いました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000115.html

 

■総務省が政府電子調達システムの利便性向上に関する実態調査を実施
本調査は政府電子調達システムにおける、入札説明書及び仕様書のダウンロード可否等について初めて調査したもので、抽出調査した95件のうち、資料のダウンロードができなかったものは31件 (32.6%)あり、本省庁(内部部局)よりも地方機関等の方がその割合が高い状況がみられました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_021009000144590.html

 

■総務省がサイバーセキュリティタスクフォース第26回会合を実施
同会合では、「IoT・5Gセキュリティ総合対策2020」を踏まえた最近の取組状況、および来年度の総務省サイバーセキュリティ関連予算概算要求について報告が行われました。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/cybersecurity_taskforce/02cyber01_04000001_00140.html

 

■経済産業省が『サイバーセキュリティ体制構築・人材確保の手引き』を取りまとめ
サイバーセキュリティ経営ガイドラインにおける指示:サイバーセキュリティリスク管理体制の構築、およびサイバーセキュリティ対策のための資源(予算、人材等)確保について具体的な検討を行う場合の参考資料としての手引きが作成、公開されました。
https://www.meti.go.jp/press/2020/09/20200930004/20200930004.html

 

■IPAがISMAPのクラウドサービスの登録申請手続を公開
10月1日の登録申請の受付開始に先立ち、ISMAPクラウドサービスリストへの登録を希望するクラウドサービス事業者の申請およびその後の手続が公開されました。
https://www.ipa.go.jp/security/ismap/csp.html

 

■外務省がパスポートの電子申請システム構築に関する予算を要求
概算要求では、旅券の電子申請システムの設計・開発等、デジタル・ガバメントの推進に係る費用として、21.1億円が計上されています(今年度は2.3億円)。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100098552.pdf

 

■国税庁が年末調整控除申告書作成用ソフトウェアを公開
年末調整手続の電子化に向けた取組の一環として、従業員が控除証明書等データを活用して年末調整申告書を簡便に作成し、勤務先に提出する電子データ又は書面を作成する機能を持つソフトウェアを公開しました。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm

 

 

【自治体】

■山形県酒田市がCDO(最高デジタル責任者)を設置
同市における中長期的なデジタル変革に対して先導的な提言を行うCDOを設置し、同市出身でNTTデータ代表取締役社長の本間洋氏が就任します。あわせて、情報企画課内にデジタル変革戦略室を設置するほか、同市とNTTデータ、NTT東日本および東北公益文科大学がデジタル変革による市民サービスや市民生活の向上、地域課題の解決等を目的に、連携協定を締結します。
http://www.city.sakata.lg.jp/shisei/kouho/jyohohasshin/shicyokaiken.files/20200917kaikennsiryo.pdf

 

■宮崎県都城市が電子見積書システムの実証実験を開始
見積書の作成・発行、受け取った見積書の保管や開封状況の確認、質問・回答の履歴管理など、見積関連業務をウェブ上で一元管理できるシステムを用いて、業務効率化、ペーパレス化、郵送料等の経費削減についての有効性を検証します。
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/78/24504.html?fbclid=IwAR0uXdFSp6T1rZtKV1y7WngmNgP1MXUlp826wKHUikTq8QP6Iqs_trduAFA

 

■東京都練馬区と中野区がAIを用いた住民税賦課業務支援の実証実験を開始
今回の実験は住民税額の確認や修正を行う住民税賦課業務における複数種の課税書類の間での不整合の抽出、および修正方法の提示をAIが行うものとなっています。
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/10/2.html?fbclid=IwAR3AXKKKaUGJuRX5NYKqGzoYoYGJp0CJfPkAmSBeNQFL4jLObfrhPEZmMQw

 

■神奈川県が分身ロボット「OriHime」を活用した障がい者就労支援の試行を開始
神奈川県が分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用し、移動が困難な障がい者が、在宅勤務により県庁内等で勤務する、障がい者の就労支援の試行を開始します。障がい者の就労機会の拡大を図り、共生社会の実現を目指します。
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/m8u/prs/r20200928.html

 

■神奈川県鎌倉市が道路損傷等通報システムの実証実験を開始
今回の実証実験では、LINEを活用した道路損傷等通報システムに加え、通報が寄せられた際の職員の対応手順、同システムを運用する会社の保守管理手順等の通報の受け手側の対応体制などについても検証することとしています。
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kisya/data/2020/documents/20201001-4.pdf

 

■静岡県裾野市が耕作放棄地自動判定アプリの実証実験を実施
本実験では、衛星データを用いて耕作放棄地を可視化するアプリを用いて自動判定を行うことにより、耕作放棄地のパトロール準備、実施の負担軽減を目指します。
http://www.city.susono.shizuoka.jp/material/files/group/11/2020-01.pdf

 

■大阪府堺市がKINEによる市民通報システムを開設
同市建設局のアカウントで、市が管理する道路、公園の損傷情報を通報できるようになっています。
https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/doro/doboku/kensethukyoku_line/douroline.html

 

■香川県高松市がマイシティレポートの運用を開始
市内で起きている様々な課題をスマートフォンアプリを使って市民がレポートすることで、市民と行政の間で、それらの課題を共有し、合理的、効率的に解決していくことを目的とするアプリの運用が開始されます。
https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/kurashi/sodan/kouhou20201001.html

 

■香川県高松市が手続棚卸タスクフォースを設置
同市とNTT Com、NEC、STNetが共同で設置した本タスクフォースでは、行政手続の実態を把握するために調査・業務分析を行い、その調査結果をもとに2021年度以降のデジタル・ガバメントの推進に向けた実行計画案策定に資する検討・提言を行う予定です。
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2020/0929_2.html

 

■福岡市が市役所での手続きのハンコレス化を完了
福岡市では、これまで「ハンコレス」の取り組みを進めてきました。令和3年3月末までの達成目標だったところを前倒しして取り組み、国や県の法令で押印が義務付けられたもの等を除き、市へ提出される申請書等の押印義務を令和2年9月末ですべて廃止しました。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/77422/1/hankoresukanryou.pdf?20200930175434

 

■茨城県がダムの事前放流判断にAIを活用(茨城新聞)
国土交通省が提供する1時間ごとの雨量予測データをとダムごとに記録された過去の洪水被害実績を分析してダムに流入する雨量を予測し、事前放流の必要性や洪水調整のための貯水位を判断します。
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16014665023058

 

■千葉県千葉市が行政情報をLINEで送るプッシュ型通知のサービスを開始(朝日新聞)
がん検診、各種予防接種、児童扶養手当、障害・難病児童やひとり親家庭の支援などに関する23業務について、事前に利用を申請したうえで、LINEの市公式アカウントを友だち登録しておくと、年齢や家族構成など住民基本台帳に基づくデータから、最適な情報が自動分析でスマートフォンなどに通知されるサービスを開始します。
https://www.asahi.com/articles/ASNBB54MVNB1UDCB01T.html

 

■新潟県村上市が職員の新卒採用にAIを活用へ(日本経済新聞)
筆記試験の合格者を対象にスマートフォンを通じてAIの質問に答えてもらい、AIが内容や要した時間などを解析し、対人能力や計画力などを診断し、対面面接実施の際の資料として活用します。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64833000Z01C20A0L21000/?fbclid=IwAR0CfdGPN8fvpXGEJaw7DGBP6Zkn23Z-0Flc0kQIJBPTM8i0Cu_D8iYZVeQ

 

■長野県社会福祉協議会が災害福祉カンタンマップの実証実験を開始(信濃毎日新聞)
同マップでは、事前に同意を得た高齢者や障害者の名前や体調、必要なサービスなどの情報をシステムに登録し、洪水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域の地図に表示して要支援者の居場所を伝えます。要支援者の情報には、被災状況や体調変化、困り事などの追加入力も可能となっています。
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20201009/KT201008FTI090016000.php

 

■大分県玖珠町とティーアンドエスがデジタル化に向けた連携協定を締結(西日本新聞)
同町の計画では、役場各課のほか自治会や教育関係者、各種団体などが、それぞれが発信したい情報を動画で収録できるスペースを整備し、スマートフォンアプリで誰でも見られるようにします。また、同町では町民全員がスマートフォンを所持することを目標として掲げており、全域に光回線を既に整備したほか、高齢者のスマホやパソコンの取得を促進するため、購入費の補助制度も新設するとともに、高齢者の集会に出向くなどして使い方教室も積極的に開くこととしています。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/651560/

 

【海外】

■コロナ危機への対応におけるデジタルガバメントのイニシアチブの概要を公表(国連)
本概要はCOVID-19パンデミックに対する国連加盟国のデジタル対応の新たな傾向を捉えることを目的としています。パートナーシップの章では、日本の取組が紹介されています。
https://publicadministration.un.org/en/Themes/Digital-Government/Good-Practices-for-Digital-Government

 

■米国18Fが「政府のテクノロジプロジェクトにおけるリスク低減のための実践ガイド」を公表
米国政府において大規模なソフトウェア開発プロジェクトのうち成功したものが僅か13%に留まっていることを踏まえ、今般ガイドを作成しました。本ガイドでは、幹部や予算担当職員、法制担当職員、及びその他の非技術職の意思決定者向けに、ソフトウェア開発プロジェクトを計画、実施する際の問題を解決するための推奨策や、外部からの購入/自前での構築の決定、アジャイル開発時の契約書作成、質の高い提案の探索などを行う際に留意すべき点などをまとめています。
https://18f.gsa.gov/2020/09/09/a-federal-guide-to-de-risk-government-technology-projects/

 

■豪州政府がデジタル技術の活用支援で経済回復を目指す(JETRO)
オーストラリアのスコット・モリソン首相は9月29日、経済復興策の一環として、デジタル技術の活用によるビジネスの成長と雇用の創出を支援するため、約8億オーストラリア・ドル(約600億円、豪ドル、1豪ドル=約75円)を投資する「デジタル・ビジネス計画」を発表しました。この計画は、10月6日に発表される2020/2021年度(2020年7月~2021年6月)予算案に組み込まれます。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/09/5ab6eedf6c259ac6.html