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2021.10.21

公共分野デジタル化動向(2021.10.21)

1.『行政&情報システム』2021年10月号発行のお知らせ
2.公共分野デジタル化動向
[政 府] デジタル庁、「2021年デジタルの日」オンラインイベントを開催
[自治体] 長崎市、ブロックチェーンを活用した契約事務のデジタル化に関する連携協定を締結 ほか
[海 外] 世界銀行、GovTech Maturity Index(GTMI)を策定

公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。

 

1.『行政&情報システム』2021年10月号発行のお知らせ

今号の特集『民間のデジタル人材との共創』では、民間のデジタル人材の採用に積極的な省庁や自治体の取組事例をもとに、実際の採用のあり方や任用・配置に当たっての課題、採用後に活躍し続けてもらうための環境づくりなどを多角的に解説します。また、行政機関と民間人材のマッチングを行う事業者の視点など、今後行政機関が民間人材との共創を進めるための手掛かりとなる知見を提供します。

https://www.iais.or.jp/articles/articlesm/20211015/202110/

 

2.公共分野デジタル化動向

 

【政府】

■デジタル庁、コロナワクチンの接種証明書(電子交付)の仕様に関する意見を募集
デジタル庁は、コロナワクチンの接種証明書(電子交付)の活用を検討されている事業者、自治体、公共機関、医療機関等の皆様を対象に、仕様に関する意見募集を実施する。スマホにマイナンバーカードを用いてQRコードをダウンロードする仕様を想定している。9/17(金)~9/30(木)まで意見を募集し、10月中に結果を公開する予定です。
https://www.digital.go.jp/posts/ckWVVAya

 

■デジタル庁、地方自治体から職員を公募
デジタル庁は、地方自治体の職員の中からデジタル庁職員(期限付職員)を公募することを発表しました。地方自治体の事務と密接に関連する業務を遂行する上で、地方自治体で勤務経験を有する職員の現場感覚や知見を求めながら、地方自治体とともにデジタル化を進めていく予定です。
https://www.digital.go.jp/posts/J3M3x7at

 

■デジタル庁、アイデアボックスをリニューアル
デジタル庁は、デジタル改革アイデアボックスのリニューアルを発表しました。新しいアイデアボックスは、株式会社PoliPoliが運営する官公庁・地方自治体様向け政策プラットフォーム「PoliPoli Gov」を採用しています。
https://www.digital.go.jp/posts/4vlrFBy3

 

■デジタル庁、「2021年デジタルの日」オンラインイベントを開催
デジタル庁は、10/10(日)13時より、2021年デジタルの日ONLINE EVENT─デジタル庁創設記念─ をYouTubeとTwitterで生配信しました。オンラインイベントでは「デジタル社会推進賞 2021」が発表され、プラチナ賞に坂城高校及び長野県教育委員会が選出されました。
https://www.digital.go.jp/posts/g7b3GZuP

 

■デジタル庁と厚生労働省、マイナンバーカードの保険証利用を開始
デジタル庁と厚生労働省は、「マイナ受付」を虎ノ門病院で開始しました。これにより、保険証の代わりにマイナンバーカードで身分証明ができるようになり、過去の受診履歴も参照できるようになります。
https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html

 

■総務省、令和3年度「テレワーク先駆者百選」の募集開始
総務省は、今年度の「テレワーク先駆者百選」の募集を開始しました。 テレワークの導⼊・活⽤を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」として、さらに⼗分な利⽤実績等が認められる場合に「テレワーク先駆者百選」として選定・公表します。また、 「テレワーク先駆者百選」のうち、特に優れた取組には総務⼤⾂賞を授与し、厚労⼤⾂賞(輝くテレワーク賞)と合同の表彰式を実施します。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000323.html

 

■総務省、「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)」を公表
総務省は、「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)」を公表しました。第3版では、SaaS/PaaS/IaaSの特性や、クラウドサービス提供におけるクラウドサービス同士の相関性を踏まえた責任分界のあり方について追記したほか、当ガイドラインの章構成の見直し、当ガイドラインに記載されているセキュリティ対策の内容の見直し等を実施しました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00121.html

 

■総務省、「障害者にアクセシブルなICT機器等の普及に向けて(主なご意見の整理)」を公表
総務省は、「障害者にやさしいICT機器等の普及に関する勉強会」における有識者の意見を整理し、「障害者にアクセシブルなICT機器等の普及に向けて(主なご意見の整理)」として公表しました。情報アクセシビリティ確保の観点からは、日本版VPATや障害関連情報データベースの整備等の施策の推進、障害者にアクセシブルなICT機器等の利活用の推進に関する施策の加速化が重要としています。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000324.html

 

■総務省、「印鑑登録システム標準仕様書【第1.0 版】」を公表
総務省は、「自治体システム等標準化検討会(住民記録システム等標準化検討会)」においてとりまとめた「印鑑登録システム標準仕様書【第1.0 版】」を公表しました。「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、標準化対象事務として示されてきた17業務に「戸籍、戸籍の附票及び印鑑登録事務を加えることを検討する」とされたことなども踏まえて策定されました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei04_02000098.html

 

■経済産業省、「DX銘柄2022」選定に向けた調査を実施
経済産業省は、DX銘柄の選定に向け、東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構と共同で、国内上場企業(一部、二部、マザーズ、JASDAQ)を対象に、アンケート調査「デジタルトランスフォーメーション調査(DX調査)2022」を実施します。アンケート調査に回答した企業には、経済産業省よりフィードバックを行い、各社の更なる取組推進に資する情報を提供します。
https://www.meti.go.jp/press/2021/09/20210922002/20210922002.html

 

【自治体】

■福島県、「県デジタル変革推進基本方針」をとりまとめ
福島県は、「県デジタル変革推進基本方針」をとりまとめました。基本方針では、付加価値の高い行政サービスを提供するため、県職員の意識改革や行政手続きのオンライン化に取り組み、市町村に対しても、民間のアドバイザーを派遣するなどしてDXを支援することとしています。最高デジタル責任者(CDO)には、鈴木正晃副知事が就任しました。
https://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20210914-OYTNT50003/

 

■東京都、デジタルツイン実現プロジェクト 混雑度可視化Webアプリの実証をスタート
東京都は、デジタルツイン実現に向けた実証として、混雑を回避しながら安全な移動をサポートするWebアプリ「TOKYO DigitalTwin Smooth NAVI 大手町・丸の内・有楽町地区版」をリリースしました。大手町・丸の内・有楽町地区において、地上及び地下通路のリアルタイムな混雑情報の提供を行うことを目的としています。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/10/13/13.html

 

■上士幌町、経産省北海道経済産業局、karch、セイノーHD、エアロネクストとドローン観光商品開発・ドローン宅配の2つの実証実験を開始
北海道上士幌町は、締結した包括協定に基づき、ドローンを活用した複数の先進的な実証実験を10/6(水)~10/10(日)に実施しました。ドローン宅配の実証実験は、日本初となります。
https://www.hkd.meti.go.jp/hokch/20211007/index.htm

 

■つくば市、インターネット投票への応用を見据えた市民意見収集システムの共同研究を実施
茨城県つくば市は、将来的なインターネット投票導入を見据え、非改ざん性と高い秘匿性を備えた市民意見収集システムの構築に関する共同研究を、VOTE FOR及びLayerXと共同で実します。この共同研究は、2018年度から2020年度までの3年間にわたり実施したインターネット投票システムの構築に係る実証実験で得られた成果を活用し、検証してきた技術の発展を継続させることを目的としています。本システムを活用し、「つくば市科学技術・イノベーション振興指針」策定のための市民意見アンケート調査を実施します。
https://digitalassets-online.jp/news/20210922e/

 

■江戸川区、通話音声分析・モニタリングシステムの運用を区児童相談所で試行的に開始
江戸川区児童相談所「はあとポート」は、「通話音声分析・モニタリングシステム」の運用を9/1(水)から試行的に開始しました。「通話音声分析・モニタリングシステム」は、AIを活用した業務の効率化を推進しようと、通話音声をリアルタイムにテキスト化することにより、通話者以外の者も即座に内容を共有できる仕組みになっています。
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e004/kuseijoho/kohokocho/press/2021/09/0903-4.html

 

■市川市、「冠水情報管理システム」及び「土砂ハザードモニタリングシステム」の実証実験を開始
千葉県市川市は、令和3年度に市川市内に設置された「冠水センサ」及び「斜面変動監視センサ」の更なる利活用に向け、応用地質株式会社と実証実験の合意文書を取り交わし、実証実験を開始しました。応用地質が開発する「冠水情報管理システム」及び「土砂ハザードモニタリングシステム」を実際の災害対応業務の中で試用し、情報システムを活用した新たな災害対応フローの検討、システムの改善、強化等を行います。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000047274.html

 

■福井県、スマートフォンアプリを用いたドライバーの安全運転診断の実証実験を開始
福井県は、福井県警、あいおいニッセイ同和損害保険とともに、10月より、「デジタル時代の新たな交通安全対策」と題した実証実験を開始します。スマートフォンアプリを用いたドライバーの安全運転診断を実施し、エリア付近における走行データ(急ブレーキ、急ハンドル、スマホ利用などの運転挙動)をもとに、隠れた危険エリアを可視化した交通安全マップを作成するとともに、データの有用性を検証します。
https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/seiki/dx/smartcityxdemo2021.html

 

■伊豆の国市、行政手続のオンライン窓口を支所に設置
静岡県伊豆の国市は、これまで本庁でしかできなかった「転出届」、「国民健康保険の脱退届」についてオンライン窓口を設置することで、支所でも手続き可能とする実証実験を開始しました。本庁と支所をウェブ会議システムでつなぎ、本庁にいる職員はモニター越しに支所に来た利用者から必要な情報を聞き取り、電子申請サービスに入力することとしています。
https://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/system/documents/documents/onlinemadoguchi.html

 

■湖西市、水道スマートメーターによる自動検針を開始
静岡県湖西市は、水道スマートメーターによる自動検針を開始します。研究パイロットエリアである湖西市知波田地区・入出地区において、水道スマートメーターの自動検針を開始するとともに、市独自で市営住宅にも水道スマートメーターを設置します。水道利用者へのきめ細かな情報提供や、電子申請・電子決済などと連携し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)によるサービスの向上を推進します。
https://www.city.kosai.shizuoka.jp/soshikiichiran/suidoka/1_1/10447.html

 

■三次市、窓口業務の一部にRPA活用
広島県三次市は、亡くなられた方のご遺族の手続きについて、必要な手続きがスムーズに進められるよう、RPAを活用した運用を開始しました。RPAを活用して、必要な手続きの抽出を自動化し、提出が必要となる様式へ亡くなられた方の氏名等をあらかじめ印字することで、手続きに係る負担の軽減と時間を短縮します。市民課で対応している13事務の手続きから開始し、今後、課税課、収納課、環境政策課での手続きに拡大していく予定です。
https://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/data/open/cnt/3/18993/1/20211012_teirei2_rpa.pdf

 

■宇佐市、窓口キャッシュレス化の実証実験を実施
大分県宇佐市は、デジタル化の推進による市民サービスの向上および感染症対策を目的として、窓口キャッシュレス化の実証実験を10/1(金)~来年3/31(木)まで実施します。窓口での証明書発行手数料を「PayPay(ペイペイ)」で支払えるようにします。
https://www.city.usa.oita.jp/sougo/soshiki/10/sogoseisaku/2_1/15396.html

 

■大分市、住民票の写しなどをオンライン申請・決済できるサービスを開始
大分県大分市は、マイナンバーカードによる個人認証とクレジットカードによる電子決済が可能となる新しいオンライン申請システムを開始しました。申請フォームに必要事項を入力し、マイナンバーカードを読み取ることで電子署名を行い、クレジットカード情報を入力すると手数料等が表示され、決済を行うと申請が完了します。証明書等の交付申請の場合は、後日郵送で自宅等に送付されます。
https://www.city.oita.oita.jp/o252/shisejoho/chiikijohoka/online_shinsei.html

 

■長崎市、ブロックチェーンを活用した契約事務のデジタル化に関する連携協定を締結
長崎県長崎市は、東芝デジタルソリューションズとブロックチェーンを活用した契約事務のデジタル化に関する連携協定を締結した。ブロックチェーンのプラットフォームを活用して、電子契約システムにおける契約事務手続きの効率化などを図ります。東芝デジタルソリューションズによると、ブロックチェーンを自治体の電子契約システムに取り込むことは国内初の試みです。
https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution/news/2021/0927.html

 

【海外】

■世界銀行、GovTech Maturity Index(GTMI)を策定
世界銀行は、政府のコアシステム、公共サービスの提供、市民の関与、GovTechの成功要因の4つの重点分野における主要な側面を測定するために、GovTech成熟度指数(GTMI)を策定しました。
https://www.worldbank.org/en/events/2021/09/16/govtech-maturity-index-the-state-of-digital-transformation-in-the-public-sector

 

 

 

(編集) 行政情報システム研究所 研究員 水野淳史