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2022.06.14

公共分野デジタル化動向(2022.6.14)

1.公共分野デジタル化動向
[政 府] デジタル庁、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」改定 ほか
[自治体] 東京都、「都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022」開催発表 ほか
[海 外] デンマークデジタル化庁、庁名変更 ほか

公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。

 

1.公共分野デジタル化動向

 

【政府】

■「デジタル田園都市国家構想基本方針」閣議決定
政府は、6/7(火)に「デジタル田園都市国家構想基本方針」を閣議決定しました。デジタル技術の活用によって地域の個性を活かしながら地方の社会課題の解決、魅力向上のブレークスルーを実現し、地方活性化を加速すること等を目的としています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/index.html

 

■「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画」「経済財政運営と改革の基本方針」閣議決定
政府は、6/7(火)に「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画」「経済財政運営と改革の基本方針」を閣議決定しました。前者では、「科学技術イノベーションへの重点的投資」等4つを、新しい資本主義に向けた計画的な重点投資分野と位置付けました。後者は国内外における難局を乗り越えるためのマクロ経済運営の方針を示すとともに、「新しい資本主義」の実現に向けた重点投資分野についての官民連携投資の基本方針等を示したものです。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/index.html

 

■「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」公布・施行
政府は、5/25(水)に「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」を公布・施行しました。本法は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体、事業者等の責務を明らかにするものです。
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jouhousyutoku.html

 

■デジタル庁、令和4年度「デジタルの日」検討委員会設置
デジタル庁は、5/17(火)に令和4年度「デジタルの日」検討委員会を設置し、第1回会議を開催しました。社会のデジタル化に向けた機運の向上に取り組む「デジタルの日」実施に向けた検討を行うことが目的です。同イベントは本年10/2(日)、3(月)に実施予定です。
https://www.digital.go.jp/councils/258f7c5c-219e-4f23-9791-ea7efcb4aba3/

 

■デジタル庁、デジタル臨時行政調査会作業部会(第11回)開催
デジタル庁は、5/20(金)にデジタル臨時行政調査会作業部会(第11回)を開催しました。この中では、経済界要望を踏まえた行政手続等のデジタル完結に向けて、法制事務のデジタル化検討に関する同チームでの検討結果等について討議しました。
https://www.digital.go.jp/councils/c0adc86e-c148-490b-a538-34288bcd53f0/

 

■デジタル庁、技術検討会議(第7回)開催
デジタル庁は、5/26(火)に技術検討会議(第7回)を開催しました。本会は情報システムについて、整備方針原案の策定、標準ガイドライン群等の技術標準の策定改訂等を行うことが目的です。第7回は地域サービス・データモデル・ガイドブックについて等を討議しました。
https://www.digital.go.jp/policies/d2a406cb-a8be-472c-8422-eefa6b39a13e/

 

■デジタル庁、シンガポールGovTech担当大臣とMoCの署名
デジタル庁は、5/26(火)にジャニル・プットゥチェリー氏と、デジタル分野における協力覚書の署名を実施しました。デジタルガバメントの発展における両国の経験の共有や、ワークショップの共催による能力構築等が目的です。
https://www.digital.go.jp/news/ad6470b1-ef56-4381-9098-7069e16cf5f4/

 

■デジタル庁、デジタル臨時行政調査会(第4回)開催
デジタル庁は、6/3(金)にデジタル臨時行政調査会(第4回)を開催しました。デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン(案)について、規制改革推進会議の取組について、「デジタル時代にふさわしい政策形成・評価の在り方」の実現に向けた総務省の取組について討議しました。
https://www.digital.go.jp/councils/cb5865d2-8031-4595-8930-8761fb6bbe10/

 

■デジタル庁、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」改定
デジタル庁は、6/7(火)に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」改定を閣議決定しました。主な改定内容は、「今後の推進体制」への「デジタル改革の推進体制(政府の推進体制を強化)」追加、「デジタル化の基本戦略」への「Web3.0の推進」追加、「マイナンバーカード」の「市民カード化」推進等です。
https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program/

 

■総務省、総務省デジタル田園都市国家構想推進本部(第3回)開催
総務省は、6/8(水)に総務省デジタル田園都市国家構想推進本部(第3回)を開催しました。デジタル田園都市国家構想基本方針と同基本方針に盛り込まれた総務省関係施策について、デジタル田園都市国家インフラ整備計画の進捗状況について等を討議しました。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/denen_toshi/02kanbo05_04000122.html

 

■総務省、日EUデジタルパートナーシップの立ち上げ
総務省は、5/12(木)に日EUデジタルパートナーシップを立ち上げました。日本側はデジタル庁、総務省、経済産業省、EU側は欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局が中心となり、日EUのデジタル分野における共同の優先事項を討議することが目的です。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000138.html

 

■外務省、日米豪印首脳会合開催
外務省は、5/24(火)に日米豪印首脳会合を開催しました。特に重要・新興技術に関しては「重要技術サプライチェーンに関する原則の共通声明」を発表しました。サイバーセキュリティに関しては「日米豪印サイバーセキュリティ・パートナーシップ」を立ち上げ、この下で具体的な取組を進めていくことを確認しました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/nsp/page1_001186.html

 

 

【自治体】

■東京都、「都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022」開催発表
東京都は、6/1(水)に東京都オープンデータカタログサイトに掲載されているオープンデータを活用し、行政課題の解決に向けたデジタルサービスを企画・開発するイベント「都知事杯オープンデータ・ハッカソン2022」の開催を発表しました。応募対象は「東京都のオープンデータを活用したサービス開発を目指す個人又は団体」、開催期間は8/23~8/28としています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003071.000052467.html

 

■茨城県取手市、議会会議録視覚化システムを試行導入
茨城県取手市は、5/26(木)に株式会社アドバンスト・メディアの「議会会議録視覚化システム」を自治体で初めて試行導入しました。本システムは、会議発言中の文言の関係性を視覚的に把握しやすくすることで、市民の議会への関心向上を支援することを目的としています。
https://www.city.toride.ibaraki.jp/gikai/shise/shicho/shigikai/topics/202205kaigiroku-shikakuka.html

 

■富山県、警察本部や県内16の教習所等においてタブレット式認知機能検査システムの本格運用開始
富山県は、5/13(金)に県内のすべての検査実施施設で、改正道路交通法に準じたタブレット式高齢者運転免許更新時機能検査実施~採点~管理システムの本格運用を開始しました。本システムは日本テクトシステムズ株式会社が提供するもので、受験者と検査員両者の負担を大幅に軽減することを目的としています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000045502.html

 

■新潟県岩船郡粟島浦村、Web完結型電子契約「クラウドサイン」を導入
新潟県岩船郡粟島浦村は、5/18(水)に村および離島における日本初の事例としてクラウドサインを導入しました。これまで書類や対面で行っていた契約業務全般のデジタル化、村役場業務の最適化とDX施策の加速を目的としています。
https://www.cloudsign.jp/info/20220518_awashimaura/

 

■石川県加賀市、子どもの眠りのアドバイスサービス「ねんねナビ」を本格導入
石川県加賀市は、6/8(水)に全国で初めてねんねナビを本格導入することを発表しました。本アプリは、子どもの1週間分の生活習慣を入力することで、すこやかな眠りのための生活習慣に関するアドバイスを受けることができるものです。子どもの睡眠習慣を改善し、親の育児ストレスを軽くすることを目的としています。
https://www.city.kaga.ishikawa.jp/soshiki/shiminkenko/kosodate_oen/1/9020.html

 

■福岡市、スタートアップによる国家戦略特区の規制改革提案を募集
福岡市は、6/2(木)に、「スタートアップ都市ふくおか宣言」10周年を記念して、国家戦略特区の規制改革提案をスタートアップからの募集するキャンペーンを開催することを発表しました。優れたアイデアは今秋開催予定「特区規制改革ピッチ(仮)」への出場の道が開かれています。応募締切は7/15(金)です。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/soki/kikaku/B_Dash_Camp_Fukuoka.html

 

■宮崎県都城市消防局、ARグラスを活用した救急デジタル事業の実証を発表
都城市消防局は、5/10(火)にARグラスや119番通報時の映像伝送を活用した、救急デジタル事業の実証実験実施を発表しました。本実験は、救急隊が傷病者を病院に搬送するまでにかかる時間を効果的に短縮することを目標としています。本内容での実証実験は全国初です。
https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/site/fire-bureau/46026.html

 

 

【海外】

■EU、「公共部門におけるAI導入への道~政策立案者、行政関係者、関連ステークホルダーのためのハンドブック~」公表
EUは、5/25(水)に「公共部門におけるAI導入への道~政策立案者、行政関係者、関連ステークホルダーのためのハンドブック~」を公表しました。本ハンドブックの目的は、EUの公共部門におけるAIの導入と活用について、政策立案者と関連するステークホルダーに提言を提供することです。
https://op.europa.eu/en/publication-detail/-/publication/34251428-dc12-11ec-a534-01aa75ed71a1/language-en/format-PDF/source-258140019

 

■EU、「子供のより良いインターネット使用のための欧州新戦略(BIK+)」公表
EUは、5/11(水)に「子供のより良いインターネット使用のための欧州新戦略(BIK+)」(2012年からの改訂版)を公表しました。本戦略は、オンラインで全ての子供を保護し、スキルを伸ばし、安全に生活を楽しめるような施策の実践を支援することが目的です。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/digital-decade-children-and-youth-new-european-strategy-better-internet-kids-bik

 

■EDPB、「法的機関における顔認識技術の使用に関するガイドライン」パブリックコンサルテーション実施
EDPB(欧州データ保護委員会)は、5/16(月)に「法的機関における顔認識技術の使用に関するガイドライン」に関するパブリックコンサルテーションの実施を開始しました。本ガイドラインは、EUと各国の法律制定者や法的機関における顔認識技術システムの導入・使用に際し、公共空間における遠隔生体認証や、差別指向によるクラスタ分類、感情推論を禁止する等のガイダンスを提供するものです。
https://edpb.europa.eu/news/news/2022/edpb-adopts-guidelines-calculation-fines-guidelines-use-facial-recognition_en

 

■英国CDDO、「デジタルとデータのロードマップ(2022~2025年)」発表
英国CDDO(中央デジタル・データ・オフィス)は、6/9(木)に「デジタルとデータのロードマップ(2022~2025年)」を発表しました。本ロードマップは、2025年までのデジタルとデータに関する政府横断的な共通ビジョンを定め、それを達成するために「政府へのワンログイン」等6つのミッションと、改善対象となる75つの政府サービスを掲げたものです。
https://www.gov.uk/government/publications/roadmap-for-digital-and-data-2022-to-2025/transforming-for-a-digital-future-2022-to-2025-roadmap-for-digital-and-data

 

■英国DDCMS、デジタル戦略発表
英国DDCMS(デジタル・文化・メディア・スポーツ省)は、6/13(月)にデジタル戦略を発表しました。本戦略は、英国政府のデジタル政策に関して横断的な検討事項を明示するものです。「デジタルを活用した英国の地位向上」等、6つの主要分野を軸としています。
https://www.gov.uk/government/publications/uks-digital-strategy/uk-digital-strategy

 

 

■デンマークデジタル化庁、庁名変更
デンマークデジタル化庁は、5/18(水)に英名のみ「デジタルガバメント推進庁」へ変更しました。デンマークが次世代のデジタルガバメントに移行したことを強調し、既存デジタルサービスの継続的運用のみでなく、福祉サービスの改善やアナログ業務の削減のために新技術を積極的に取り入れていくことを示すことが目的です。
https://en.digst.dk/news/news-archive/2022/may/new-name-and-website-relaunch/

 

■ドイツ、「自動運転車両の認可及び走行に関する政令」承認
ドイツ連邦参議院(上院)は、5/20(金)に「自動運転車両の認可及び走行に関する政令」を承認しました。本政令は行動でのレベル4の自動運転を可能にするものです。これにより、ドイツは自動運転に関する法的枠組を構築した世界初の国家となります。
https://www.bundesrat.de/DE/plenum/bundesrat-kompakt/22/1021/1021-pk.html?nn=4732016#top-33

 

■OECD、「各国のデジタル戦略とガバナンスの評価」公開
OECDは、5/20(金)に「各国のデジタル戦略とガバナンスの評価」を公開しました。本レポートは、各国のデジタル変革を成長と幸福に役立てるために、各国のデジタル戦略の包括性を独自指標で測定することで潜在的可能性を洞察するものです。
https://www.oecd-ilibrary.org/docserver/baffceca-en.pdf?expires=1654843677&id=id&accname=guest&checksum=7A927437A3968F5A7674E17F0DC4767D

 

 

 

(編集) 行政情報システム研究所 研究員 小池千尋