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2019.06.10

2019年06月号連載企画 海外公共分野ICT化の潮流 No.12 ドイツにおけるデジタル政策推進体制の現状―メルケル政権のラストスパートなるか―

行政管理研究センター
研究員 寺迫 剛

1.はじめに

200511月から連邦首相を務めるアンゲラ・メルケルが遂に、その座を2021年までの今議会任期限りで辞し、次回、連邦議会選挙には立候補しないと断言した。すでに201812月にはキリスト教民主同盟(CDU)の党大会において党首を辞任しており、さらに場合によっては任期満了を待たずに、CDU新党首アネグレット・クランプ=カレンバウアーへ連邦首相職も事実上禅譲しようとする可能性も指摘されている。

メルケル政権は、もはやレームダックなのか、あるいは残された期限内に任務を達成すべくターミネーターたらんとするのか。本稿は、世界が気に掛けるこの問いかけを念頭におきつつ、デジタル政策に的を絞り、その推進体制の現状について考察する。

メルケル政権の発足した2005年といえば、日本では小泉政権が終盤に差し掛かりつつあった頃である。国連経済社会局によるEガバメント発展度インデックス(EGDIE-Government Development Index 2008年度版までは旧称E-Government Readiness Index)において、2005年版では日本が第14位、ドイツが第11位であった(※1)。これが2018年版になると、日本は第10位、ドイツは第12位となる。

(※1UN E-Government Knowledgebase<https://publicadministration.un.org/egovkb/en-us/About/Overview/-E-Government-Development-Index>より当該報告書